【山形県 置賜紬】
置賜紬
山形県 米沢・長井・白鷹一帯は【置賜(おいたま)地方】と称され、草木染・織物の日本有数の産地です。
山形県米沢市にある白子神社は古来より養蚕の神と崇められ和銅5年(712年)に建立されたと伝えられています。
和銅年中のある時、この地の桑林に何処からともなく無数の蚕が現れ、枯れ木に雪が降り積もったかのような光景になったと伝えられています。やがて沢山の繭を作り始め、不思議に思った村人たちがこの地を白蚕村と名付け神社が建立された言い伝えられています。そして社の周辺は【置賜】と呼ばる地名で古くから養蚕の盛んな地域となりました。
時代は過ぎ、慶長6年(1601)上杉景勝が会津から移封された時には領内に真綿・青苧(あおそ)などが産出されていたといわれています。
そして慶長15年(1610)直江山城守兼統が須田善右衛門忠長に命じ、白鷹町に【絹屋】を設けて絹織物が生産されるようになり、京都から縮工を招き紬の製造に成功しました。
その後、1776年に上杉鷹山公が越後から藍師を招き【藍染】も奨励されるようになり本格的に発展していきました。
続く1782年には横麻裃地が作られ1804年~17年には唐糸織、絹縮、横絣などが織り始められました。更に1818年から京都をはじめ、結城、足利、越後から職工を招き、絣織、撚糸、染色などの技術を導入。江戸末期にはほとんど織の技術が確立され、今に受け継がれて昭和51年に【伝統的工芸品】に指定されました。