着物の価格は何故高い?3
スポットガーデン 筑摩です。
着物はやはり高価ですね。。でも何故でしょうか。
※販売店によっての価格の違いは以前にご紹介していますが今回はもっと根本的なお話しです。
今回シリーズ3回目 前回までは
1原材料が高い
2技術と手間暇がかかる
という観点からお話ししましたが(簡単にですが。。。)
では大量生産すれば安くなるの?
大量生産というのは単純に数を多く生産する事ではありません。
同じデザインと色のものを沢山つくることです。
100着の着物をつくる場合に全く同じ色柄のものを作れば安くなります。でも100着全てを違う色柄で作れば安くはなりません。
つまり、全く同じものを100点も販売する為には着物をお召しになる人数が増えなければ大量生産はできないという事です。
例えば、友禅(染物)の着物であれば白生地を染め上げるのですが、同柄同色のものを染めるなら機械を使えば大量生産が可能ですし、手作業でも同じ作業を繰り返せばいいので一点一点違う色柄を染めるよりは生産性が高くなり多く染められます。同じ時間で沢山の反物が出来上がるので安くなりますね。
でも。。。
着物人口が少ないため沢山染めても全部売れません。。。
ですから売れ残るというリスクを取ってまで沢山作ろうと考えるメーカーさんはいません。バブルの頃、まだ着物が売れていた時代には、機械捺染で染める小紋など、大量に染めて売っていくとう手法がとられていましたが、今は皆無なんです。
数が売れなければどうするか。
少ない販売量で利益を出さなくてはならない為、安価なものは作らず高価なものへ生産をシフトして行きます。
そして、これが着物離れに拍車をかけるという悪循環に。
また、同じ物でも以前の売れていた頃に比べると価格が上がります。当然、原料高や人件費増なども価格が上がる要因の一つです。
つまり、大量生産すれば、価格は下がるのですが、それを売りさばく事が出来ないので大量生産は出来ないのが現状です。
着物を着て行く場所が無い。
着付けが出来ない。
着物を着ない理由に言われるのは上の2つが多いのですが、実際は【高額だから】というのが1番の理由なのでは無いでしょうか。
リサイクルやアルティークショップ 骨董市 頂き物などで上手に手に入れて着物ライフを楽しまれている方も多くいらっしゃいますし凄く素敵な事なのですが、新しいものが売れなければいずれはリサイクル出来るものも無くなってしまいますね^^;
今日はここまで。
スポットガーデン 店主 筑摩和之
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着物の価格は何故高い?5
着物は何故高い?
スポットガーデン 筑摩です。
前回までは
1素材が高価
2生産に手間暇がかかる
3点数が売れない為 大量生産が出来ない
というお話しをして来ましたが、今回は誂え(お仕立て)の観点から考えて見ます。
着物のお仕立ては高い…と思われる方も多いでしょう。
着物の袷仕立ての場合であれば 、胴裏地と八掛地も必要ですから反物代金に、プラス35,000円~50,000円も余分に必要になってしまいます。
表地の着物が高額なものであれば、お仕立て代はサービスなんてお店もありますが、特価で購入した小紋がお仕立て付けたら3倍になってしまった何てことも有りますから。お仕立て代はバカにからないですね。
でも、お仕立ての手間と技術も相当なもので、織や染の職人さんと同じように対価が必要です。
一点一点それこそ手作業で縫い上げる縫い子さんがおられなければどんなに高級な反物があっても着られません。(当たり前の話ですが)
縫賃はまさしく、縫い子さん(湯のしやプレスなども含めた)の手間賃(人件費)と縫製会社の手間賃、そしてわずかですが我々小売店の手間賃や配送運賃も含まれます。
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こればっかりは、大量生産すれば安くなる製品とは違って、安くなる事はありません。
※裏地の絹もどんどんと高くなっています。
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既製品(業界ではプレタ着物と言います)で、寸法が統一されミシン縫製のものは当然 誂えよりは安いですが、それこそ前回の記事でお話しした大量生産しても売りさばけないので最近は減ってしまいました。
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20年程前までは、ポリエステルの既製品などは売価3,000円で1ヶ月に1,000枚販売したりもしていましたが、今では夢のような数字ではないでしょうか。
話はそれましたが、着物のお仕立て代は確かに高いと感じるかもしれませんが、技術と手間暇を考えると仕方のない事ですね。
着物は
1素材が高価
2手間暇がかかり技術が必要
3大量生産できない為コストダウンができない
4お仕立て代も高額になる
以上のような根本的な要因に加えて小売店の不透明な売価設定もあって、着物は何でこんなに高いの?となるんです。
店主 筑摩和之