きもの接客用語あるある「それってホント?」2

2017/05/03

  
着物接客用語あるある3
 
今日の【接客用語あるある】

『近いうちに手に入らなくなってしまいますよ』

これは希少性の高いもので、技術継承が難しく近い将来途絶えてしまうような品の場合に使われるのですが、確かに今では製造されていない織物もありますので残念ながら手に入らなくなってしまうものも有るかもしれません。


例えば、大島紬の一級品である【都喜ヱ門】の昔ほど重厚で細密な美術大島は、現在製造されておらず今市場に出回っているもので最後です。販売価格○百万円もしたりします。
今も都喜ヱ門ブランドとして製造はされているのですが、分業制な事もあり一反作り上げる為に関わる技術を持っている職人さんが足りずに あそこまで素晴らしい美術大島は作れなくなってしまいました。


ですから、今出来る品でも継承者が居なくなったらそれで終わりというものも頷けます。


でも、何でもかんでも『無くなってしまうから今買っておかないと』と不安をかき立てて買わそうとする販売員もいるのです。

同じ産地のものでも、もうこの先無くなるであろうアイテムもあれば、合理化されて生産を継続していけるものも有るにも関わらず、全てを一括りにして『無くなってしまうから』『だから貴重で高価』『今買わないと…』と勧めてきます。

ひょっとすると、勧めている本人も知らずにそう言っているだけかもしれませんが、それはそれで困ったもの。



価格が不透明でなかなか他と比べる術がない着物だからこそきっちりとした知識で説明したいですし、分からないことやハッキリ知らないことは、不用意に口に出さない事ですね、、

『近いうちに手に入らなくなりますよ』

そんな品もありますし、そうで無いものも有りますのでご注意を。

今日はここまで

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着物接客用語あるある4

今回の接客用語あるある

『私が欲しいくらいのお値段だわ』


表示価格が赤札だったり値引きする際に、女性販売員さんが、値段の安さを強調する時によく使いますね。
売り手の私でもその価格では買えないくらい安いからお得ですよ、という意味。

プロの販売員さんがいうなら相当お値打ちなんだろうと思ってしまいます。

はたしてそうなのでしょうか?

そうかもしれないし、セールストークなのかもしれないのが実情ですので、一般の消費者さんには判断出来ないと思います。

実際、店頭に立って販売している従業員さんはお店の商品の本当の原価は知らないものです。着物の知識や、着付けに関してはプロとしてのスキルをお持ちであったとしても、価格(原価)に関しては素人である事も多いんです。(仕入を担当していれば別ですが)

自分の働いているお店の価格を基準にしている為、それと比べて安いと思うと「私が欲しいくらい…」とすすめてきます。

「それならどうぞ、」という感じですが、、店員さんも自分の店で買った着物の支払いの為に働いているような方もいらっしゃいます、、、ノルマは無いにしてもプレッシャーでしょうか、、、もちろん着物が好きという理由も大きいと思いますが、中には予算達成の為に買わざるを得ない雰囲気になったりするのかも。。


話は外れましたが、
価格の高い安いは 立場によって、感覚によって変わります。お店の店員さん達はある意味価格に麻痺しています
自分が買える値段でなくても、何十万、何百万の着物を見慣れていると 10万円がとても安く感じてしまいますからお客様のお財布事情など考えずに『これは安い』『買わないと損』という感覚になってしまうんですね。

お店で『私が欲しいくらいの値段だから…』と言われてももう一度よーく考えて決めましょう。

本当に欲しいのか、本当に着るのか、ただ『安い』と言われてるから買う気になっているだけではないのか。



一目惚れでどうしても欲しい、値段も納得であれば即買いでも良いですが、決めかねる場合は保留して返事は持ち帰った方が無難です。
※お店の立場からですが、帰って考えてから返事する場合には返事の期限を決めて、断る場合も連絡いただけると幸いです(^^; いつまでも期待してしまいますから(^^;

購入の決断は慎重に。



店主 ちくま かずゆき