こんな理由で着物が最も高くなる。

2017/06/22

スポットガーデン 店主 筑摩です。

少し投稿の間隔が開いてしまいました。
前回までの2回【着物の価格を丸裸】と題して着物の価格がどう決まるかについて呟いてきましたが、今回は着物の値段が最も高額になるシステムについてお話します。

小売の流通は
◎メーカー(製造元)→◎問屋→◎小売店→◎消費者へと流れていきます。

製造直売というものもありますし、問屋を抜いてメーカー→小売店(いわゆる中抜き)という流れもありますが、着物業界は最初の例が今でも主流です。
そしてその流れは買取り取引であるのが普通なのですが、こと着物業界においては委託取引の割合がまだまだ高いのが現状です。
※【買取り取引】と【委託取引】についてはバックナンバーをご参照下さい。

委託取引が買取り取引よりも価格が高くなるのは【着物の価格を丸裸 その2】でご紹介しましたね☆ そして今回は委託取引において『最も着物の価格が高くなるのはこういう場合』だというご説明をさせて頂きます。

最初に記載した流通過程で見ると、
 前回は◎メーカー→◎問屋は買取り取引 ◎問屋→◎小売店は委託取引という商品の流れでご説明しました。
それでも高額になりました。。。

そして、それよりも更に高額になるのは。。
◎問屋→◎小売店が委託取引。更にその上、◎メーカー→◎問屋も委託取引の場合です。 本当に同じ商品がびっくりするほど高くなるんです。

☆ここでちょっとおさらいします。
◎小売店の買取取引での仕入原価1万円の品の販売価格は
☆1番安いお店13,000円→1番高いお店25,000円

全く同じ商品を委託取引で販売すると。
☆1番安いお店 26,000円→1番高いお店 50,000円

結果…
小売店仕入原価(買取り取引)1万円の全く同じ商品が
★1番安い激安店が13,000円 1番高いお店が50,000円となり、
実に4倍近い価格差が生まれました。

上記の例は◎メーカー→◎問屋は買取り取引だった場合です。

ここで、
◎メーカー→◎問屋も委託取引だったらどうなるか。。

検証してみましょう。
◎メーカー→◎問屋が買取取引を前提とすると、
小売店 買取取引仕入原価10,000円 の同じ商品が委託取引仕入原価の場合は20,000円になります。

次に
◎メーカー→◎問屋も委託取引の場合。
小売店の仕入原価は一気に2倍になります。

つまり 買取取引での仕入原価は1万→2万 委託取引仕入原価は2万→4万と2倍になります。 それを小売売価に当てはめるとどうなるか。
★1番安いお店 26,000円 1番高いお店 100,000円

※全ての流通過程において買取取引であった場合
★1番安いお店で価格13,000円のものが、
全て委託取引になると一番高いお店では100,000 。。
。。。実に7倍以上。。。

桁を変えると、あるお店で13万で売っている着物が別のお店で100万で売っている事も珍しい事ではありません。

ちょっと説明下手でわかりにくいですが、取引条件によって、価格は大きく変わってしまうというつぶやきでした。
今日はここまで。

スポットガーデン 店主 筑摩和之