スポットガーデン 筑摩和之(ちくま かずゆき)です。
店主のつぶやきも一か月以上サボってしまいました。。
何度か下書きはしたものの中途半端な内容になってしまい途中で断念しておりました。。
さて、久しぶりのつぶやきは、何度も登場する着物の価格の難しさについて私自身が感じているもどかしさについてお話しします。
【着物の価格は難しい】【着物の価格は4倍違う】などなど様々な視点でつぶやいてきましたが、なぜ着物はこんなにも着物屋さんによって値段が違うのでしょうか。
色んなお店を見て回ってみると、最初から格安で販売しているお店もあれば、高~い値段をつけて最終的には値引販売してそれなりの値段に落ち着くというお店もあります。
※着物自体は同じランクのものであってもです。
着物に定価があれば簡単なのかもしれませんがそんなものは有りません。
小売価格は仕入原価から幾ら利益を出して販売するかで決まるのですが、値札表示売価は囮の場合もあります。
どういう事か、、
消費者の「良い品物を少しでも安く買いたい」という欲求を利用して、あり得ないほど高く表示価格を設定して値引きをし、あたかも良いものが安く買えたと錯覚させる販売手法があるからです。
もし皆さんが呉服屋さんで100万の品が半額の50万で買えたら得をしたと感じますよね? でもその元値100万はいったい何なの?と疑問に感じませんか? 本当に100万の価値があるのか? いえ、そもそも100万の価値って何?
例えば、仕入原価10万の商品価値って幾らなの?10万で仕入れたからお店の評価価値は10万です。でもお客様視点で見た場合の価値(適正価格)は幾ら?15万?20万?
そう考えると品物の価値を売価に置き換えること自体に無理を感じてしまうのです。何だか話が難しくなってきましたが。、、、
先の例で、自分が100万で購入した全く同じものが他の店で50万で売っていたとしましょう。
着物の場合はこんな事普通に有ります。悲しいかなそれが現実です。
この着物の価値は100万?50万? 仕入原価40万の品をA店では100万 B店では50万で売っているのかもしれません。
もし仕入原価40万の品を100万で売っていたとしても決して法外な値段では有りませんし、むしろ良心的と言っても良いかもしれません。また、40万の仕入原価の品を50万で売っているお店は激安店と言ってもいいでしょう。
着物は他の品と違って高額な為、価格差の絶対額がどうしても大きくなってしまいます。もしそれが1000円と500円の違いならまた感じ方は違いますよね。有る意味諦めがつくというか。
話を戻して100万で購入したものが他所で50万で売っていたら「騙された!」と思いますか? それは販売方法によって違うでしょう。 100万で購入したものが元売価200万の表示価格で「お客様だけ特別に半額の100万で良いですよ!絶対にこんな値段では買えませんから!」と店員さんに接客されたのなら「騙された!」と感じるでしょうし、最初から100万の値札が付いていてしっかりとした商品説明も受けて納得して購入したのなら、そして50万で売っているお店が100万の品が半額の50万売り尽くし処分として販売されていたら単純に「残念…先にこっちを見ていたら…」と渋々納得するでしょう。
話が散らかってきたので整理すると。 結局のところどういう接客、セールストークで購入したかが問題ですね。 私が客観的に見て40万の仕入原価の品を100万で購入しても高く買い過ぎたとは思いませんし、50万なら本当にいい買い物をされたと感じます。 私自身がスポットガーデンで表示する価格に思い悩むのはそういった価格の基準がお客様に伝わりにくいという事です。 この例で言うなら、もし私が40万で仕入れた着物を特価の50万で最初から販売しようとした時に実際にどれくらいの価値のものがこんなに安いのかというのをお伝えするのが本当に難しいんです。
通常価格100万の品が50万と伝える方が安さは間違いなく伝わります、でもそれは法に触れる場合もあるので安易に出来ません。相対(あいたい)での接客の中でならデパートならこれくらい、専門店ならこれくらい、高い展示会ならこれくらい、などと具体的に説明出来ますがネットショップでそれは出来ませんから仕方なく元売価無しのズバリ価格で表示します。そうすると安さが伝わらずにもどかしいのです。。
皆さんはどう思われますか? 答えは出ませんがやっぱり信用出来るお店だとお客様に信頼していただけるお店になるしか方法は無いですね…
最近特に感じる価格設定の難しさについてつぶやきました。
今日のつぶやきはここまで。
スポットガーデン 筑摩和之