価格競争に巻き込まれる商品

2019/03/27


スポットガーデン 筑摩和之です。

これだけネットショップが普及して多くの方が利用されるようになると、検索キーワードで特定の商品を探して価格比較が出来るようになりました。
このつぶやきをご覧の皆様も活用されているのではないでしょうか。
比較的量産されるアイテムはネット通販店舗に流通する事が多く、それこそ価格競争になっています。
消費者からすると安く購入できる事は有難いですが、販売する方は価格競争に負けてしまうと大変です。
当店も実店舗とネットショップで商品を販売していますが、ネットショップをご覧にならないお客様は実店舗で価格を見てその安さに驚かれます。
特に、一般的な呉服屋さんやチェーン店で買われていた方からするとネット通販の価格は衝撃的なようです。反対にネット通販をメインに利用されている方は一般的な呉服屋さんの値段が衝撃的かもしれません。

ここで、ネット通販で価格競争になりやすいアイテムはどんなものかをご紹介します。
まず、ブランドや産地、メーカー名が知れ渡っているものが挙げられます。
消費者に広く知られているものは、固有名詞で検索されやすく検索すると類似アイテムがずらりと出てきます。
そこで価格比較されるのでショップは少しでも値段を他店より安くして購入してもらおうとします。例え薄利であっても、損さえしなければいいという発想と、もう一つ大きな理由は消費者にこの店は安い店だと認知され顧客になってもらえる為の広告という側面もあります。

実際にある商品を検索してみます。

検索キーワード【博多織紗献上帯】
博多献上帯は着物好きさんならよく知っている商品名でもありますし、流通量も多いので多くのショップが取り扱っています。(実際は取り扱っていたという方が正しいかもしれません。なぜならネット通販の普及で価格競争になり好んで取り扱わないようになった為です。それでもベーシックアイテムなのでそれなりに出品されています。)

では検索結果を画像で紹介します。

 博多織紗献上帯とヤフーで検索してみるとこんな風に出てきますね。
検索


そこからヤフーショッピングに入ってみると、ずらりと並んでいます。
価格は3万円を少し切ったところです。(仕立付きのところもあればそうでないところも)
※ストア名は消しています。画像も分かりにくくしています。
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次にヤフー検索とトップに戻り、楽天を開いてみると、ここにもずらりと並んでいます。

ここも3万円前後です。ヤフーショッピングや楽天はモール内での競合が激しいので価格競争が最も過激ですがその分集客力もあるので多くのショップさんが出店されています。
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ここから下がモールではなく自社サイトによってネット上に出店されているショップさんですが、今までのヤフーショッピングや楽天と様子が違います。
価格がそれらよりも高いんです。

下はとある専門店さん
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下はネット通販最大手さん
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これも専門店さん。※因みに当店と全く同柄同色の品でした。
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有名なカジュアルショップさん。
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これは、とある有名なメーカーさんが運営されているショップさん(博多メーカーではないです。)
しかし、、こんないいお値段でSOLDOUTとは、、羨ましい、、

検索

とまあこんな具合に、人気のベーシックアイテムで消費者の方に人気のある品はネット検索すると簡単に価格を比較できてしまいますね。

でも・・モールに出店されていない専門店さんの品は他の安売り店の商品より良いものを販売されているから高いのでは?
答えは「いいえ」です。
モールで3万円前後で売られている博多帯も専門店でそれなりの価格で販売されているものも、ほぼ同じランクの商品です。(厳密にいえば若干の差がありますが。)
現在、博多紗献上の八寸名古屋帯を生産されているメーカーは3社あります。そのうち2社は上ランクで、もう1社は少し下のランクですが仕入原価の違いは僅かです。また、同一メーカーの中のランクは1つしかありません。
ですから、3万円前後の品も、4万~5万前後の品も出処のメーカーは同じで、その3社のうち何処のメーカーのものかによります。
「あーなるほど!高く売っている専門店は上ランクを作っているメーカーのもので、モールで安く売っているショップは下のランクのものなんだ。」
いいえ・・安く販売しているショップさんの中でも上ランクのものを販売してるところもあります。それはメーカー名や織技法で判別できます。
これが専門店マジックというものなのかもしれません。
専門店は数は少なくても配色センスの良いものを揃えますので高級に見えますし、もう一つ高級路線の専門店の場合はメーカー名を出さない事が多いです。それよりも色やデザイン、風合いなどの品質の良さを売りにします。
安売りショップは、値段さえ折り合えば色目に関係なく仕入れるため、ごくごく普通の色のものも混ざりますので安っぽく見えてしまいます。また、得てして安売り店の方がメーカー名やブランド名を前面に押し出す風潮があります。
しかし安売り店の中にもセンスの良いものを揃えているところもあります。モールの写真にもそのショップさんの商品が写っていますが実は私もマークしているところなんです(^-^;

ネットは便利ではありますが、「値段が違えば商品も違うんだ」。。と消費者の方が誤解してしまうという悩ましさもあります。
案外、少し高く販売した方が売れるのかも・・と錯覚してしまう今日この頃です(^-^;