【製造元】工房あき福
【品質】絹100% ※国産繭 ぐんま200
【糸染色】やまもも・化学染料
【長さ】約520cm
【着用時期】袷(10月~翌年5月)単衣(6月・9月)
思わず見過ごしてしまいそうになるほどの静けさの中に、キラリと光る確かな存在感を放っているのが本品 ”工房あき福”さんの花織です。派手さや奇抜さといったパッと目を引く色柄ではありません。しかしシックな地色に優しいパステル色の手花織で幾何学模様が表現された本作品にふと目が留まると見入ってしまうのです。私自身 仕入先様の展示会で何気に手にした本品の魅力に目が離せなくなり持ち帰ってきた次第です。
薄グレーベースにピンストライプを配した帯地に古典的にも現代的にも見える菱形幾何学模様を幾色もの美しい光沢を放つパステルカラーで表現されています。カラーミックスされた一本の色糸が用いられた花織は非常に珍しく私自身は見たことがありません。幾色かの糸がミックスされている為 見る角度によって色が変化し幻想的な美しさをかもし出します。また、縦方向の柄部分は緯糸で押さえずに無撚糸が浮かされているため、その部分にボリュームと立体感が出るとともに、緯糸との接地面がないため絹の持つ光沢をダイレクトに伝えており、更に豊かな表情を見せてくれるのです。
手花織(ティバナ)とは
沖縄の花織には数種類の技法が有ります。手花織は柄の部分にのみに柄糸を織り込む技法で自由自在に作者の好きな場所に様々な色や柄を表現する事が可能になります。それに対して一般的な花織は帯地の端から端に柄糸を織り込みますので横方向の色糸の使い方に制限が有り また 縦方向に柄糸を織り込む事が出来ません。手花織はまるで刺繍を刺すように自由に織り込む事が出来るのです。しかし帯地となる緯糸を打ち込みながら柄糸を入れ込んでいくことは非常に高度な技術を必要とするとともに、大変手間暇がかかるのです。そして、通常よく見かける手花織は一つ一つの柄が比較的小さいのに対して本品は非常に伸びやかで大きな柄が表現されているのが他の手花織には無い魅力を増幅しています。
手花織を裏から見た画像 柄糸が非常にカラフルなのが分かります。薄グレーの地色の中にほのかに香るパステルカラーは大人チックな可愛さと上品さを生み出しています。
本品はお太鼓と 垂れ先 前帯に柄が配されています。お太鼓は柄が長めに配されているので初心者の方でも比較的柄出しに困ることなく結んで頂けます。
前帯の中央部分は無地場になっており、帯締めの結び目が柄に邪魔されずに映えてスッキリとしたお洒落さを演出してくれます。
純国産絹 群馬県碓氷製糸場で作られる「ぐんま200」の糸が用いられ 美しい絹の光沢と薄手でありながらも しっかりと そしてしなやかな風合いに織上がっています。
ヤマモモで染色された草木染の穏やかな揺らぎは安心感のある優しい印象をかもし出します。
下のラベルを見ると「あめ糸」と書かれていますが、これは地柄が雨のように細いストライプになっている様を 工房あき福さんが命名されたものです。作家としてのアーティスティックな遊び心が名前に込められているかのようですね。
作者である女性染織作家”工房あき福”さん。これは工房の名前なのですが本名である個人名はオープンにされていません。普通は個人作家として活動されているかたは工房名よりもご自身の名前を打ち出すのですが「自分自身にスポットを当てるのではなく作品そのものに注目してほしい。」というのがその理由だそうです。
京都で生まれ、大学でテキスタイルデザインを学ばれた後、沖縄に渡り 首里織の第一人者「日本工芸会正会員”伊藤峯子”氏」に約5年間師事し首里織の技術を習得されました。
その後生まれ育った京都に戻り個人染織作家として活動されています。
30代の若手作家さんで業界的にはメジャーなビッグネームではありませんが、その感性と技術力の評価は高く 工藝品の公募展においても受賞されています。ひと月に2~3点ほどしか製作出来ない為 流通量は極めて少なく皆さんが目にする機会はないと言っても過言ではありません。そして作風が多岐にわたっている為 まさに貴女だけの一点物なのです。似たものをもっとお安く探そうと思っても見つからないのが個人作家さんのアイテムですので本品がお気に召されましたら是非お手元にお迎えくださいませ。もちろんお値段もグッと押さえてのご提供です。
製作者・・”工房あき福さん”プロフィール
1984年・・京都に生まれる
2007年・・京都精華大学芸術学部テキスタイルデザイン学科卒業
2007年~2012年・・沖縄にて伊藤峯子に師事し首里織を学ぶ
2013年・・京都にて製作を始める
2015年・・”工房あき福”を立ち上げ現在に至る
※写真と実物ではモニター環境などにより若干色が違って見える場合がございます。
【お仕立てについて・・】
お仕立てをご希望の場合はオプションにて各項目からお選びください。
国内仕立て お仕立て期間:約20日
※ご注文完了後に発送予定日をメールにてご連絡させていただきます。
・お仕立て方法:
【九寸名古屋帯】
1「名古屋帯仕立て」5,400円
手先からお太鼓までを半分に折って芯を入れて仕立てる
※最も一般的なお仕立て方法です。
2「開き仕立て(裏地無し)」9,720円
手先を半分に折らずに全て平ら(袋帯の形)にして芯を入れて仕立て、手先から胴巻きの部分に裏地をつけない
3「開き仕立て(裏地付き)」12,420円
2の開き仕立てで裏地(モス)をつける仕立て
※裏地の色はお任せになります。
(帯ガード加工)
・雨やお食事時にも安心のガード加工:3,240円
※国内手縫い仕立てです。
★ ご不明な点がございましたらお気軽にお問合せ下さい 。