芭蕉糸を績み 技術を繋ぐ
最高級自然布 芭蕉布(ばしょうふ)
南国琉球 喜如嘉の地で生み出される夏の涼布
重要無形文化財指定技術
人間国宝 平良敏子さんが守り 伝承する民藝の世界
番匠金(バンジョーガニ)絣模様
単衣から盛夏の装いをお洒落に演出
【産地】沖縄県 喜如嘉(きじょか)
【品質】経緯:手績み(てうみ)芭蕉糸100%
【染色】草木染:琉球藍 車輪梅 相思樹 福木 マンゴー 茜
【着用時期】5月頃~10月頃(単衣・盛夏)
※単衣の季節から盛夏に最適な素材感です。
【長さ】約490cm
ざっくりとした張りのある織物 芭蕉布 抜群の清涼感が高温多湿の日本の夏に涼やかな風を運びます。琉球染織らしい伝統的な絣文様「番匠金(バンジョーガニ)※大工道具のL字曲尺」をあしらった古典柄が国の重要無形文化財技術指定 伝統工芸品としての味わいや風格を漂わせ 御召しになる方をよりお洒落に そして趣深い着姿にいざないでくれるでしょう。
琉球王朝の頃より庶民から士族まで夏のお召し物として用いられていた芭蕉布 今では国の重要無形文化財に指定されるほどの希少な布になってしまいました。
第二次世界大戦による戦火で焼け野原と化した沖縄 その中にあって大宜味村近辺は被害が軽微ではありました。しかし 芭蕉布を作るための糸芭蕉の畑は荒廃し その原料畑を蘇らせる必要がありました。それに中心となって尽力されたのが後に人間国宝に認定された「平良敏子」さんなのです。
1920年 沖縄県大宜味村 喜如嘉(おおぎみそん きじょか)で産声を上げた平良さんは機織りの音を子守唄として育ちました。学校の昼休みには家に帰り苧績み(糸紡ぎ)を手伝っておられたそうです。
そして戦時中は岡山県倉敷で女子挺身隊に入り倉敷紡績工場で職工として従事されていました。その時に知り合われた民藝を愛する倉敷紡績の大原總一郎氏 倉敷民藝館の外村吉之介氏と出会われた事で芭蕉布作りが一生の仕事となったのです。外村氏に師事し学ばれた後 大原氏から「ふるさとの工芸を復活してください」との言葉を受けて故郷に帰り見事に芭蕉畑を蘇らせ芭蕉布を復興させたのです。
その苦労は我々の想像を絶するものだったに違いありません。しかし故郷を愛し 故郷の伝統を継承するという確固たる信念と情熱が平良敏子さんを突き動かしたのではないでしょうか。のちに「芭蕉糸に助けられてここまでやってきましたが、それでも満足する布にはであっておりません」とおっしゃる謙虚さと向上心はまさに芭蕉布とともに生きてこられた証なのです。
経糸と緯糸の両方に手結びにより染め分けられた絣糸を用いて模様が織り出されています。
芭蕉布は糸芭蕉と呼ばれる植物から糸を作ります。人の背丈よりも高い植物で 糸作りができるまで成長するのに3年ほどかかります。
その茎の皮を剥ぎ灰汁で煮て手で繊維を裂きます。外側の硬い部分はクッションや財布、名刺入れなどの雑貨類にそして次に硬い内側の部分は帯に そして最も柔らかな部分を着物用に用います。
芭蕉布だけでなく麻織物である越後上布 榀の木を原料とする榀布など 植物から手績みされる織物はその糸作りが本当に大変なのです。越後上布や榀布は分業制になっており 糸作りと製織者は別々の場合が多いのですが 芭蕉布は栽培から糸作り製織まで一貫して行われます。
こういった自然布や原始布とよばれる織物は製織は勿論こことなのですが それ以上に原料を糸に仕上げるまでの時間と労力の方がかかるのです。
その作業をされる職人さんがどんどんと少なくる事で生産数が減り価格も高騰してしまうのです。価格が上がったと言って職人さんの生活が豊かになる事はありません。生活に必要な僅かな収入にも届かないのではないでしょうか。
それほどまでに希少な技術を途絶えさせないように先頭に立って守り次の世代に継承させていかれているのが平良敏子さんであり義理の娘にあたる平良美恵子さんです。
現在では国の重要無形文化財に指定されていますので後継者育成の為の補助を受けられていることもあり約20人ほどの職人さんが居られるそうですが 僅か20人なのです。その方たちも個人で活動するために沖縄を離れられる人も出てきます。産地としての伝統を守るという事はその地で生涯やり続け 未来に繋げていくことが必要です。技術や精神を受け継ぎ個人染織作家として活動するよりも更に重要な役割を担っているのが産地織物なのかもしれません。
幾種類もの天然染料を用いて染め分けられた糸が見事に融合して柔らかく優しく そして曖昧な美しさを放つ地色に仕上げています。
国の重要無形文化財指定の技術により生み出される喜如嘉の芭蕉布 平良敏子さんの手によって蘇り 守られ 次の世代へと伝承される特別な天然布です。多くを語らずとも感じられる伝統と涼やかさを漂わせる姿は他を圧倒する魅力を放っているに違いありません。
価格に関しても本当に抑えておりますので展示販売会で100万をゆうに超えるお値段でご覧になった事がある方は「偽物?」「粗悪品?」「廉価版?」などと思われるかもしれませんがご安心ください。正真正銘の正規品であり同じお品ですのでその素晴らしさを実感していただけるに違いありません。
年々入手が困難となっている希少品、また価格も上がってきておりますので私も気に入ったお柄であれば即仕入しなければ手に入らない芭蕉布です。お目に留まりましたら是非お手元にお迎えいただきましたら幸いです。
※写真と実物とはモニター環境などにより、若干異なって見える場合がございますので予めご理解ください。
※価格にお仕立て代は含まれておりません。
※お仕立てをご依頼の場合には、オプションからそれぞれの項目をお選びください。
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【お仕立てについて】
お仕立て期間:約20日
※年末年始 GW お盆など長期休暇を挟む場合は7日~10日ほど余分にかかりますのでご了承ください。
※国内手縫い仕立て
※夏用帯芯を入れさせていただきます。
【九寸名古屋帯】
1「名古屋帯仕立て」5,400円
手先からお太鼓までを半分に折って芯を入れて仕立てる
※最も一般的なお仕立て方法です。
2「開き仕立て(裏地無し)」9,720円
手先を半分に折らずに全て平らにして芯を入れて仕立て、手先から胴巻きの部分に裏地をつけない
3「開き仕立て(裏地付き)」12,420円
2の開き仕立てで裏地(モス)をつける仕立て
※裏地の色はお任せになります。
(帯ガード加工)
・雨やお食事時にも安心のガード加工:3,240円
※国内手縫い仕立てです。