藤布
自然の恵みを人が紡ぐ
縄文の頃より伝わる原始の布
国の無形民俗文化財記録保存指定
入手困難なレアアイテムです。
【産地】京都府与謝郡与謝町
【品質】手績み 藤の蔓:100%
【製造元】芙留庵 小西暢子 京もの認定工芸士
【長さ※織上がり】約500cm 仕立て上がり370cmにさせていただきます
※ご希望の長さがございましたら注文手続きの際 フリー記入からお知らせください。
※最大約380cm程度まで可能です。
【着用時期】夏単衣を中心にオールシーズン
「大君の塩焼く海人の藤衣 なればすれどもいやめづらしも」
~万葉集より
古代縄文の頃より伝わると言われる原始の布「藤布(ふじふ・ふじぬの)」
万葉集にも歌われ庶民の日常着としてまた日常品として全国各地で織継がれていました。
通気性がよく夏の織物として適している藤布。江戸時代に木綿の普及により一気に衰退し一時はこの世から消え去ったのではないかと言われていたのですが、丹後の世屋地区などで女性たちの手によって細々と生産されているのが分かりました。そして京都府無形民俗文化財の指定を受け、技を伝承する女性らから技術を継承する「丹後藤布振興会」が発足しました。また「京もの指定工芸品」にもなっています。本品の製作者である小西暢子さんの父親も上世屋のお年寄りからこの技術を継承されたという事です。小西さんは子供のころから作業を手伝われていましたが、父親の病気やご自身の子育てが一段落したことなどで藤織りの技術を後世に伝えていこうと思われたのです。
なんとも素朴で自然の香りが漂う原始の布
人はなぜ自然布に魅かれるのでしょうか。煌びやかでもなく 何の変哲もない植物繊維の布であるにも関わらず。
太古から何千年もに渡り、人類が自然と共存しながら自然の恵みによって生かされてきたその記憶が擦り込まれているからかもしれません。
その自然に対する畏敬の念とともに、人の手仕事が詰まった布であるというバックグラウンドが我々の心を揺さぶり、そして安らぎを与えてくれるのです。
原始の布
5月の初旬に綺麗な花を咲かせる藤の蔓(ツル)を山に入って採取します。持ち帰った蔓を木槌で叩き皮を剥ぎ 皮の内側の中皮の部分だけを削り取った後、水に浸けて柔らかくし木灰汁で約4時間炊きます。それを 川の水に晒して不純物を洗い流した後に専用の竹の道具でしごきます。繊維を乾かしたら専用の道具でまたしごき そして適した太さに手で裂いていきます。
それからがまた気が遠くなるような藤績み(ふじうみ)の作業が待っています。藤の繊維は当然のごとく短いですからそれらを結び目が出来ないように一本一本撚って繋いでいくのです。これが手績み(てうみ)という作業です。
※芭蕉布は芭蕉を、越後上布や宮古上布は麻を手績みして糸が作られます。
そうして出来上がった藤の糸を順調に織り進めても3日ほどかけて手織りで製織するのです。
なんと原始的かつ地道な仕事なのでしょうか。
ごく一部の後継ぎを除き 若者たちが好んでこの世界に入ってくるはずもありません。特に藤を山に取りに行く仕事や糸作りの職人さんの高齢化により生産量はほんの僅かなのです。ゆえに呉服問屋さん自体が入荷の順番待ちの状態で入荷しても直ぐに小売屋に流れていくという非常に希少性の高い品になっているのです。
現在 京丹後市 ・与謝町で細々と伝承される原始の布「藤布」可憐な藤の花とは対照的な質素で素朴な手織物 天然の生成りのままのシンプルな色の中に微妙に異なる様々な自然色が奏で合う美しさは、民芸味溢れる味わい深い着姿に仕上げてくれるに違いありません。
古来より夏向きの素材として重宝されてきた藤布ですので、盛夏や単衣の季節はもちろんですが、袷のお着物にオールシーズンお使いいただいても見た目に違和感はなく、是非とも通年お楽しみいただきたいお品です。
全国の紬の着物や上布木綿などと組み合わせて民藝の趣きと工芸品としての風格が漂うコーディネートをお楽しみ下さい。
また、シンプルな生成りのお色目で無地感覚の帯ですので様々な色柄のお着物とも相性良くお使いいただけます。
使えば使うほどに馴染んでくる藤布。
滅多に手に入れることの出来ない激レアなアイテムは、この先いつまで存続することが出来るのでしょうか。
お目に留まりましたら是非お手元にお迎え下さい。
スポットガーデン 筑摩和之
※モニター環境や画像処理の関係上 実物の色目と若干異なって見える場合がございますのでご理解の上お求めください。
※価格にお仕立て代は含まれておりません。
※お仕立てをご依頼の場合には、本ページ内に設置のオプションからそれぞれの項目をお選びください。
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【お仕立てについて】
※本品は手縫い仕立てとさせていただきます。
【八寸名古屋帯】
1「松葉仕立て」
4,860円
手先から約38cm(1尺)半分に折ってかがります。
※最も一般的なお仕立て方法です。
※手先が半分になっているので締めやすくなっています。
2「平仕立て」
4,860円
手先を半分に折らずに全て平らのまま仕立てます。
※胴巻部分の帯巾を調節したい方におすすめです。
ご使用後にシワが気になる場合は霧吹きで軽く湿らせて皺を伸ばして乾かして下さい。
※その為、水を弾くガード加工はおススメ致しません。
※お仕立て期間 約20日