【製造元】手織工房おおしろ 代表者:大城美枝子
【品質】絹100%
【製織】高機 手織り
【着用時期】9月から翌年6月頃 袷 単衣の季節
【長さ】仕立て上がり約370cmにさせて頂きます。
※ご希望の長さがございましたらご注文手続きの際に、フリー記入欄からお知らせください。
※最大長さ:約410cmまで対応可
優しさと透明感溢れるカラーリングで織り上げられた吉野織に思わずため息がこぼれます。緯糸を浮かせて表現された畦と通常の平織りの変化を利用して生まれる眼鏡状の織模様は流麗な面持ちを漂わせ、まろやかなアイボリーにベージュ濃淡の色使いがしっとりとした大人の魅力を感じさせるのです。そして、シンプルな印象にも関わらず存在感と風格を放ち、どんな逸品のお着物とコーディネートしても負ける事なく溶け込むように馴染みます。ハイクオリティなだけでなく、抜群のセンスの良さがあるからこそ成せる技なのです。
私自身、20年以上沖縄の織物を見てきましたが、今回初めて吉野織を目にしました。藤山千春さんや柳崇さんをはじめ、他の工芸作家さんの吉野織は何度も手にして取り扱ってきましたが、花織や絣の産地として名高い沖縄にあって本当に珍しく、先日業者さんの展示会に伺った時に直ぐに目が行き即仕入れしてしまうほどの輝きを放っていたのです。
以前から吉野織については生産されていたようですので、知らなかった事が少し恥ずかい思いも有ります。いつから存在するのかはっきりとは分かりませんが、通常貼付されている伝統工芸品の証紙などは無く、独自のラベルだけが付いているところを見ると歴史は浅いのでしょう。それは沖縄においての吉野織の技法が琉球花織の要件に入っていない為であり、間も無く伝統工芸品の要件に認定されて証紙が貼付されるようになるだろうとの事です。初めて手に取った沖縄の吉野織に感動を覚えると共に、こんなにも素晴らしい作品を生み出された事に流石という感嘆の思いが込み上げてきます。確かに花織と吉野織は糸を浮かせて柄を織り出すという点では同じですので可能なのでしょう。とは言え既存の花織と絣で十分に琉球染織の魅力が詰まっている中で、新たに吉野織を製作するという職人の精神に尊敬の念を持たずにはいられません。
緯糸を浮かせて畦のような立体感を生み出す吉野織に通常の平織り部分との織の変化により緯糸が畝り眼鏡状の模様が現れます。
沖縄に伝承される手織り物「琉球花織」14世紀~15世紀 琉球王朝の時代より身分の高いものの為に高度な技術が発展していきました。幾度となくこの世から消え去りそうになった工芸品は沖縄の人々の執念ともいえる努力と情熱により蘇り、そして先人たちへの尊敬の念によって今なお織り伝えられています。沖縄の大らかさや自然の美しさといった気候風土の中で育まれ、一見華やかに見える織物ですが、明治時代の琉球処分や第二次世界大戦における日本唯一の地上戦によって壊滅的な状況を乗り越えた悲しい歴史 それらの想いが伝承される手仕事の中に込められているがゆえに 深みや味わいといった目に見えないスパイスとなって人々を魅了してやまないのかもしれません。
手織りの魅力
「とんとん♪ とんととん♪」南国の風と共に聞こえる機織りの音。ただひたすら機に向かい緯糸を打ち込んでいく。布の声を聞きながら糸を労わるように、しかし力強く織り進める手織りの作業は心を乱す事が許されない正確さが求められます。それは自分自身と向かい合い我を見つめ直すかのような作業であり、集中力と根気強さを必要とします。高度な技術と人の感度によって糸の状態や湿度などを見極めて打ち込み具合を加減する。機械織りでは決して感じることが出来ない優しさは手仕事がもたらす温もりであり、体に沿う締め心地の良さが手織り最大の魅力なのです。
シャリっとした手触りの軽やかなでスキっとした風合いに仕上げられています。
沖縄に伝統工芸に加わる吉野織。この先もっともっと沢山の作品が世に出てくることを願い本当に楽しみです。数百年の歴史に裏付けられた高度な技術とハイセンスな感性が融合した名品です。「この帯、何処の産地だか分かる?」答えられる人は殆ど居られないでしょう。そんな特別感も味わって頂ける琉球吉野織九寸名古屋帯。非常にコーディネートし易くい色柄ですので重宝して頂けるに違いありません。お目に留まりましたら是非お手元にお迎え下さい。
スポットガーデン 筑摩和之
お仕立てをご依頼の際には、垂れ先の位置をオプション選択からご指定下さい。
※ご覧のモニター環境などにより若干色が違って見える場合がございますので予めご理解下さい。
※価格にはお仕立て代は含まれておりません。本ページ内のオプションから選択し商品と同時に購入してください。
【お仕立てについて】
【九寸名古屋帯】
1「名古屋帯仕立て」5,400円
手先からお太鼓までを半分に折って芯を入れて仕立てる
※最も一般的なお仕立て方法です。
2「開き仕立て(裏地無し)」9,720円
手先を半分に折らずに全て平らにして芯を入れて仕立て、手先から胴巻きの部分に裏地をつけない
3「開き仕立て(裏地付き)」12,420円
2の開き仕立てで裏地(モス)をつける仕立て
※裏地の色はお任せになります。
【ガード加工】・・・3,240円
※撥水加工 雨やお食事時にも安心
※国内手縫い仕立てです。
【お仕立て期間】
:名古屋帯仕立て:約3~4週間
:開き(松葉)仕立て:約4~5週間
お盆・年末年始・ゴールデンウイークなど長期休暇を挟む場合は1週間ほど余分にお日にちを頂きます。同様に仕立てが混み合う場合もございますので着用予定が決まっている場合は期間に余裕をもってお求めください。
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