【産地】沖縄県 石垣島
【製造元】からん工房 深石美穂
【作品名】光のブーケ
【品質】絹100% 国産生繭
【製織】手織り 花絽織・浮織・絣織
【染色】草木染:福木・藍
【着用時期】袷・単衣・夏 (4月頃から10月頃)
※単衣から夏に適していますが春秋の袷せシーズンにも是非お使いください。
【長さ】仕立て上がり:370cmにさせて頂きます。
※希望の長さがございましたらお手続きの際、フリー記入欄にてお知らせください。最大約380cmまで可能です。
川平織 深石美穂~【光のブーケ】
目の覚めるようなレモンイエローが光のエネルギーを感じさせ、水の波紋のように広がる円の中に織り出された花織模様をブーケに見立てられた作品です。
石垣島 川平湾近くの高台に工房を構える深石美穂さんから届けられた絹布の魅力は言葉で言い表せないほどの元気を与えてくれるのです。
純国産の絹糸を草木で染め 手織りによって製織する。
その手仕事の中に作り手の感性を注ぐことで息吹が宿り、一つの作品として輝きを放つのです。
花絽織(花倉織)
糸を捩り隙間が空けられた部分と平織部分に織り分ける事で市松模様を現す、非常に高度な技術を要する製織技法です。琉球王朝時代の首里花倉織は最も格式の高い夏衣とされていました。
本品は、花絽織で表現された市松模様の大きさに変化を付ける事により、水の中に石を落とした時に発生する波紋のような模様に織り上げられており、水面がゆらゆらと揺れて光が反射しているかのような幻想的な美しさを放ち、福木によって染め上げられた草木染のレモンイエローは光のエネルギーを感じさせ、目にするだけで元気が出て幸福感に満たされるのです。
「光のブーケ」この作品名を考え付く深石さんの遊び心や発想力に「自分らしさ」を追求するバイタリティーを感じます。
サークル上の花織模様が花束の様に可憐な雰囲気を漂わせます。
ほんのり透け感のある薄手の織りに花絽織の隙間が清涼感を生み出し、かつ非常に軽く薄手ではありますが、純国産の絹糸を手織りによってしっかりと打つ込まれており、安心感のある質感に仕上げられています。
レモンイエローのブーケの中に藍染の絣模様が部分的に配されており、エネルギッシュな光の中に落ち着いたクールさを添えています。
純国産生繭の光沢としなやかさ
深石さんは素材にも拘りをもたれ、群馬県碓氷製糸場にオーダーされた国産の生繭糸を用いられています。
現在、絹の日本国内流通量に占める国産絹は1%に満たないと言われており、中国産が大部分を占めています。勿論高品質の中国産の絹があるのも事実ですが、徹底した品質管理のもとで生産される安定感を考えると国産にはかないません。
生繭とは
繭を乾燥させる前、蛹(さなぎ)が生きたままの状態の繭ことを生繭(なままゆ)と呼び、 そこから糸を引き製糸された糸は より白くそしてしなやかである為 絹が持つ本来の美しさを表現できるとともに ドレープ性に富み 着心地の良さを生み出します。
※乾燥させて蛹を殺すことで繭の長期保存が可能となるため一般的には乾燥繭にします。(蛹が繭を破って出てきてしまう為)
川平織 深石美穂
川平織は産地の伝統織物ではなく一個人である深石美穂さんが名付けられた一代物です。
福島県でお生まれになった深石さんが武蔵野美術大学を経て沖縄に移り住み、現代の名工 新 絹枝(あらきぬえ)氏からミンサーを学び、首里織の第一人者 大城志津子氏から手結い絣を習い、その後も大城さんのお弟子さん多和田俶子さん、宮古島の砂川美恵子さん、川平在住の糸満トミさんなど様々な人々との出会いによって多種多様な染織を吸収されたのです。
そうして学んだ技術をベースに石垣島の自然の魅力を織物に宿し自分らしさを表現するすべを日々探求されるなかで、ついに自身が生活をする川平(かびら)の地に因み「川平織」と名付けた作品を世に出されるようになったのです。
後付けのような話で恐縮ですが、私が初めて川平織に出会ってから抱いていた違和感。「沖縄の織物なんだけれども何故か川平織は少し匂いが違う。」と感じていた理由が理解できたのです。
地域に根差した伝統技術を沖縄の各産地に渡って吸収し、かつその影響に加えて自身の欲求を満たす次なるステップを模索し実現する。
これぞ工芸染織なのかもしれません。自己完結させる物作りが工芸染織で有り、己の想いを作品という形に作り上げるのでしょう。
「らしさ」こそ唯一無二の作品なのです。
深石 美穂
- 1970年 武蔵野美術大学商業デザイン科中退
- 54年 石垣島に移り ミンサー工芸館にて新 絹枝氏(現代の名工)にミンサー織を習う
- 56年 首里織の第一人者 故 大城 志津子氏を訪ね手結絣を学ぶ
- 57年 「からん工房」を設立 木綿・麻・芭蕉の草木染絣織のインテリア用布の制作を始める
- 58年 新宿 京王百貨店にて個展
- 平成5年 自家製座繰糸を用いた草木染生繭布の反物を「川平織」と名付ける
- 平成7年 全日本新人染織展 佳作受賞
- 8年 沖展 初入選
- 9年 沖縄県工芸公募展 最優秀賞受賞
- 11年 西部工芸展 朝日新聞社銀賞
- 13年 日本伝統工芸染織展 初入選
- 14年 日本伝統工芸展 初入選
- 15年 沖展 奨励賞受賞
- 17年 京都にて個展「移ろいの絣 深石美穂展」開催
- 18年 日本伝統工芸染織展 日本工芸会会長賞受賞
- 21年 日本工芸展 正会員に認定
- 23年 日本伝統工芸染織展 最高賞 文化庁長官賞受賞
- 25年 沖展 浦添市長賞受賞
- 26年 沖展 うるま市長賞受賞
沖縄の伝統を学びつつ独学とも言える試行錯誤によって世に出される深石さんの作品の数々は産地染織や流派をくむ作家物とは一線を画する独自性を備えており、数々の展覧会において受賞され唯一無二の風格を漂わせます。
美しい着姿に仕上げてくれる構図とカラーリングを是非お楽しみ頂きたく存じます。
滅多に手に取ることの出来ない希少性の高いお品ですのでお迎え頂きましたら幸いです。
スポットガーデン 筑摩和之
※写真と実物とはモニターや画像処理の関係上、若干異なる場合がございますので予めご理解ください。
※価格にお仕立て代は含まれておりません。
※お仕立てをご依頼の場合には、本ページに設置のオプションからそれぞれの項目をご注文と同時にお選びください。
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【お仕立てについて】
※夏用帯芯を使用します。
【九寸名古屋帯】
1「名古屋帯仕立て」5,400円
手先からお太鼓までを半分に折って芯を入れて仕立てる
※最も一般的なお仕立て方法です。
2「開き仕立て(裏地無し)」9,720円
手先を半分に折らずに全て平らにして芯を入れて仕立て、手先から胴巻きの部分に裏地をつけない
3「開き仕立て(裏地付き)」12,420円
2の開き仕立てで裏地(モス)をつける仕立て
※裏地の色はお任せになります。
※国内手縫い仕立てです。
※お仕立て期間:約3週間