本品は美しいキモノ2022年冬号掲載の同柄商品です。
※反物の状態です。
三才山紬~横山 恵(けい)
優しさが詰まった絹布
三代に渡り繋ぐ
手紡ぎ~草木染~手織り
自然の恵みと共生し手仕事が奏でる天然色
優しく語り掛けてくるかのように奏でる自然色を手仕事によって紡ぎます。長野県三才山の地で横山家3代に渡り繋ぐ 手紡ぎ・草木染・手織りの絹布を身に纏えば至福の感情に満たされるに違いありません。「ただお召しになる方のためを想い」生まれた三才山紬をご堪能下さい。
【産地】長野県
【製作者】横山 恵(けい)
【品質】絹100%
【使用染料】桑・漆・山胡桃・栗
【生地幅】約39cm(裄丈約72cm 1尺9寸まで対応)
【着用時期】10月頃から翌年5月頃(袷の季節)6月 9月(単衣の季節)
三才山紬
長野県松本市の三才山(みさやま)と呼ばれる地域で横山家現当主 横山俊一郎氏のお父様 英一氏の代から制作されている草木染・手織りの織物です。そして現在は俊一郎氏のお嬢様も加わり3代に渡り繋がれています。本作品は次女である恵(けい)さんが製作された三才山紬です。
信州長野県は織の有名産地です。上田紬や飯田紬、そして伊那紬といった信州紬をご存知の着物愛好家の方は多いと思います。しかし、三才山紬は地名こそ付いていますが、三才山で昔から伝承される産地織物ではなく、あくまでも「横山家の紬織物」と表現した方が正しいのかもしれません。
横山英一、横山俊一郎、そしてそのお嬢様と3代に渡り受け継がれる「三才山紬」。現在、俊一郎氏の伴侶 みゆきさんと3人の娘さんのご家族で営まれる工房で作り出される草木染の手織り物は、知る人ぞ知る名品と言っても過言ではなく、決して結城紬や大島紬のようにメジャーでは無いかもしれません。しかし全国の着物愛好家が憧れ、着物専門店筋においても絶大なる支持を得る特選品なのです。
地元に自生する草木を使って手紡ぎされた真綿紬糸を染め、手織りでしっかりと丹精込めて織り上げられています。
草木染の色の奥行を言葉で伝えることは出来ませんが、化学染料と明らかに異なるのが「色が生きている」と言うことです。何色という表現が出来ないと言いましょうか、天然のものに含まれる有機物から発せられる色の干渉がそこにあり、見る角度や光の加減により微妙に色が変化して見える。そんな味わい・奥行が草木染には感じられ まるで色が揺らいでいるかのようです。
草木染の魅力である色の揺らぎとも言える曖昧さは、絶対的な色では無く単調さを感じさせることのない奥行や動きが表れ、表情豊かに私たちの目に映り込むのです。
同じ草木を使っても、全く同じ色が再現出来ないのが草木染であり、時間が経過するにつれ色が微妙に変化していく。それは退色ではなく、ゆっくりと草木染料が糸に浸透し色が生き物のように変化していくのです。色を操るのではなく色が持つ生命力に委ねる。そんな贅沢なゆったりとした時間の流れが感じられるのも草木染の魅力の1つなのかもしれません。
横山俊一郎氏の父である英一氏が民藝運動の父「柳宗悦」氏に感銘を受け染織の世界に足を踏み入れられ「三才山紬」が生まれました。
民藝とは民衆の生活の中に密着している道具(工芸品)の中に存在する美であり、決して見栄えのする煌びやかな装飾的な要素があるわけではなく、ただ道具としてまた染織物として身近で常に生活の中に存在しているもの。その中に宿る美しさを芸術ととらえたのが「民藝」です。そしてその考え方を世に広げる活動が「民藝運動」と呼ばれています。
手紡ぎ真綿
人の手で紡がれた真綿紬糸のほっこりとした温かみが安らぎを与え、ランダムに現れる節の太細が染料の含み具合に変化を付け微かな濃淡が豊かな表情を漂わせ、お召しになられるの着姿をより魅力的に演出してくれるでしょう。
ただひたすら着易さを追求し、お召しになる方の事だけを思い制作される三才山紬は、手織りにこだわり、織り目がしっかりと詰まった丈夫さとしなやかさを併せ持ちます。
本品は横山俊一郎氏の次女 横山恵さんの作品です。俊一郎氏と妻のみゆき氏の元で染織を学び、現在では恵さんの作として世に出されるようになりました。
まろやかな女性らしい優しさや柔らかさを感じさせるカラーリングは何とも言えない素朴な温もりの中に現代的な雰囲気を漂わせるのです。横山家の織物が更にブラッシュアップされ次世代へと繋がれていくのでしょう。
横山俊一郎氏の信念
横山氏いわく、「より手のかかったものを作ろうと思えば作れるのだが、そうすれば値段が高くなってしまう」と何かの記事で拝見したことがあるのですが、そこにも「民藝」の精神の一端を垣間見ることができるのではないでしょうか。あくまでも着物(普段にお召しになる道具)であり芸術作品ではないということでしょう。しかし、質素な単なる普段着ではなく工芸品としての風格を放ちながら静かに佇んでいるのです。
手紡ぎされた真綿糸のふっくらとした風合いを手織りの技によって損なうことなく織り上げられた織物を身にまとえば、至福の安らぎを与えてくれるに違いありません。
ご家族でひっそりと営まれる三才山紬。ぱっと見のインパクトや息をのむような細密な絣や花織でもないシンプルな手織物 しかし手で触れ 身にまとえば 時が経てばたつほどに身体に沿い、心にしみわたるような満足感を与えてくれるに違いありません。
誰もが知るメジャーな織物ではありませんが 着物愛好家から静かな人気を誇り 憧れのお品と思われる方も多いのが三才山紬なのです。
お目に留まりましたら是非お手元にお迎えいただきましたら幸いです。
スポットガーデン 筑摩和之
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※価格にはお仕立て代は含まれておりません。(お仕立てはオプションよりご注文下さい)
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