三才山紬~横山俊一郎
茶地 千鳥格子
ただお召しになる方の事を思う
手紡ぎ糸の響き~草木染の揺らぎ~手織りの温もり
自然と共生し手仕事が奏でる天然色
渋さの中に漂う大人の魅力
12/1(火)午前10時迄の期間限定販売
渋さの中に美しい光沢を放つ工藝染織「三才山紬(みさやまつむぎ)」草木染が奏でる色の揺らぎと手紡ぎ糸の温もりが心に響きます。この絹布を身にまとえば安らぎを覚え自然体の自分自身に誘いでくれるでしょう。
【産地】長野県
【製作者】横山俊一郎
【品質】絹100%
【使用染料】山漆・上溝桜(ウワミズザクラ)
【生地幅】約39cm(裄丈約72cm 1尺9寸まで対応)
【着用時期】10月頃から翌年5月頃(袷の季節)6月 9月(単衣の季節)
三才山紬~横山俊一郎~
横山俊一郎氏が生み出す素朴な絹布「三才山紬」ご家族で営まれる工房で作り出された草木染の手織り物は、知る人ぞ知る逸品と言っても過言ではなく、決して結城紬のようにメジャーでは無いかもしれませんが、全国の着物愛好家が憧れ、着物専門店筋においても絶大なる支持を得る工藝染織品です。
”色の深み”という表現が様になる茶色地に微塵格子にも見える小さな千鳥格子が織り出され、さり気ないお洒落さと渋さを漂わせます。遠目には無地に見える細かな織り模様が動きによって表情を変え美しい着姿に繋がります。
そして、これらの色は全て草木染で表現されているのです。
静かに佇むような優しさと温もり、そして洗練されたお洒落さを兼ね備えたデザインとカラーリング。糸から染め、織にいたるまで人の手仕事が詰まったこの布は ”これぞ工芸染織品″としての風格や満足感といった特別な感情をもたらしてくれるに違いありません。
手織りによって織り出された千鳥模様は山漆とウワミズザクラ(上溝桜)によって染められたいます。
山漆の焦げ茶とウワミズザクラのオレンジがかった渋いピンクが融合して遠目には赤味のある茶色に見えます。そして細かな織模様が動きによって色の表情を変えほっこりとした紬の素朴さの中にも優雅さを感じさせてくれます。
草木染料の魅力である色の揺らぎとも言える曖昧さは化学染料のような絶対的な色では無く、単調さを感じさせることのない奥行や動きが表れ、表情豊かに私たちの目に映り込むのです。そして人々はその魅力を色の深みと表現するしか伝えようがないのかもしれません。
手紡ぎ真綿
人の手で紡がれた真綿紬糸のほっこりとした素朴な温かみと共に、ランダムに現れる節の太細が草木染料の含み具合に変化を付けますので、微かな濃淡が変化を生み出し手仕事の魅力を見事に表現しています。
三才山紬とは長野県松本市の三才山(みさやま)と呼ばれる地域で横山俊一郎氏のお父様の代から2代に渡って制作されている草木染・手織りの織物です。
長野県は織の伝統産地ですが、この三才山紬は地域名こそ付いているものの、その土地で昔から伝承される産地織物ではなく、あくまでも「横山家の紬織物」と表現した方が正しいのかもしれません。
三才山紬
横山俊一郎氏の父である英一氏が民藝運動の父「柳宗悦」氏に感銘を受け染織の世界に足を踏み入れられこの織物「三才山紬」が生まれました。
民藝とは民衆の生活の中に密着している道具(工芸品)の中に存在する美であり、そこには決して見栄えのする煌びやかな装飾的な要素があるわけではなく、ただ道具としてまた染織物として身近で常に生活の中にあるもの。その中に宿る美しさを芸術ととらえたのが「民藝」であり、それを世に広げる活動が「民藝運動」と呼ばれています。
話は戻しますが、横山氏のこだわりが詰まったこの織物。
地元に自生する草木を使って手紡ぎされた真綿紬糸を染め、手織りでしっかりと丹精込めて織り上げられています。
草木染の色の奥行を言葉で伝えることが出来ませんが、化学染料と明らかに異なるのが「色が生きている」と言うことです。これも説明するのが難しすぎますが、何色という表現が出来ないと言いましょうか、天然のものに含まれる僅かな不純物から発せられる色の干渉がそこにあり、見る角度や光の加減により微妙に色が変化して見える。そんな味わい・奥行が草木染には感じられ まるで色が揺らいでいるかのようなのです。
同じ草木を使っても、全く同じ色が出ないのが草木染であり、時間が経過するにつれ色が微妙に変化していく。それは決して退色という意味ではなく色が生き物のように変化していくのです。色を操るのではなく色が持つ生命力に身を委ねる。そんな贅沢なゆったりとした時間の流れが感じられるのも草木染の魅力の1つなのかもしれません。
お召しになる方の事だけを思い制作される三才山紬は、ただひたすら着易さを追求し、しっかりとした手織りのこだわり、目がしっかりと詰まった丈夫さと”しなやかさ”を併せ持ちます。
横山俊一郎氏の信念
横山氏いわく、「より手のかかったものを作ろうと思えば作れるのだが、そうすれば値段が高くなってしまう」と何かの記事で拝見したことがあるのですが、そこにも「民藝」の精神の一端を垣間見ることができるのではないでしょうか。あくまでも着物(普段にお召しになる道具)であり芸術作品ではないということでしょう。
手紡ぎされた真綿糸のふっくらとした風合いを手織りの技によって損なうことなく織り上げられた織物を身にまとえば、ほっこりとした安心感を与えてくれるに違いありません。
ご家族でひっそりと営まれる三才山紬 横山俊一郎氏が生み出す至極の優しさ ぱっと見のインパクトや息をのむような細密な絣や花織でもないシンプルな手織物 しかし手で触れ 身にまとえば 時が経てばたつほどに身体に沿い、心にしみわたるような安らぎを与えてくれるに違いありません。
誰もが知るメジャーな織物ではありませんが 着物愛好家から静かに人気を誇り 憧れのお品と思われる方も多いのが三才山紬なのです。
スポットガーデン 筑摩和之
※写真と実物ではモニター環境などによって若干色が違って見えることがございます。
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