本品の表面にはランダムに黒と朱色の斑点のような模様が現れています。
貼付されている素材を確認すると、経糸には和紙、そして緯糸に大福帳と記載されているのがお分かりいただけます。
この大福帳とは江戸の頃 商家において帳簿として用いられていた帳面の事です。和紙に墨で売上などを記帳されていたものを手作業で切れないように細く裂き、手で撚りを掛けて丁寧に手間暇をかけて糸に仕上げたものなのです。
この大福帳を使っていた商家はなんの商売をしていたのでしょうか。想像力が掻き立てられるとともに、活気ある江戸時代の情景が目に浮かぶようで趣き深く歴史の深みとでもいいましょうか何とも言えない魅力が宿っています。
玉虫工房 玉虫正直
紙布や しな布 ぜんまい織など素朴な素材を繊細に織り上げる染織工房
昭和36年 山形県米沢市にて 玉虫織物工房の長男として生まれる
昭和55年 米沢工業高校繊維工学科卒業後、4年間他の織物工房で修行
昭和63年 第13回 新人染め織り展入選
同年 第14回 東北現代工芸展現代工芸 準賞
平成元年 2年 日本染織作品展 2年連続入選
平成6年 都々良会総合美術展 入選
平成7年 同 奨励賞
平成9年 同 優秀賞
平成20年 伝統工芸士認定
同年 日本紬織サミット グランプリ受賞
同年 全日本伝統的工芸品展 入選
手織りによって丁寧にしっかりと織り上げられています。
オールシーズンお使いいただける軽くて丈夫な諸紙布八寸名古屋帯。大福帳を裂き緯糸に打ち込まれたランダムな墨色と朱色の斑点模様が何とも言えない素朴さと歴史の深みを感じさせてくれます。
アイボリーを基調としたシンプルな色柄ですので着物の色柄を選ばず全国各地の工芸紬や夏の上布などオールマイティーにコーディネートしてお楽しみください。
原材料となる大福帳も少なく手間暇が掛かりますので滅多に目にする事が出来ない希少なお品となります。
現品限りではございますが特別価格でご提供させて頂きます。
お目に留まりましたら是非お手元にお迎え下さい。
スポットガーデン 筑摩和之