紫根染
古来より禁色とされた高貴な色
~色への憧れと畏敬の念~
みちのく米沢
ムラサキ草の根から採取される希少な草木染料「紫根」心に響く色彩は日本に伝来して1400年の時を経ても色褪せることなく、今なお人々の心を魅了し続けるのです。絞り染めで表現された文様は表情豊かでもあり また凛とした着姿を演出してくれるでしょう。
【製造元】山形県 米沢 草木染工芸 中村工房
【品質】絹100%
【使用染料】紫根(ムラサキ草)※色ヤケ防止のため化学染料も併用されています。
【長さ】:370cmでお仕立てさせて頂きます
※垂れ先無地の場合の最大長さ約380cm 垂れ先柄の最大長さ約370cm
※ご希望の長さがございましたらご注文の際 フリー記入欄からお知らせください。
【着用時期】袷から単衣の季節 9月から翌年6月
いまから約2千数百年もの昔、中国春秋時代を起源とする紫根染。多年草”ムラサキ草”の根から採取される紫色は大変貴重な染料として古来より高貴な身分の物しか身にまとうことが許されませんでした。
日本には1400年ほど昔、小野妹子ら遣隋使によってもたらされたと伝えられています。漢方薬としても重宝されたこの紫根は、奈良・平安時代には天皇や朝廷役人、公家など身分の高い者のみが身にまとうことが許された高貴な色として「禁色(きんじき)」とされていました。歴史で習った冠位十二階でも、この濃紫色はもっとも身分の高いものに指定されていたことはよく知られていますね。
そして武家が権力を握った鎌倉時代においても位の高い武士が紫色の縅(おどし)の鎧を着用したといわれています。
化学染料が主となった現代ではどの色の価値も変わらないかもしれませんが、草木染に頼っていた時代においては原料が貴重で染める事が困難な色ほど価値が高かったのです。そして、現代においては感じることのない色に対する憧れや畏敬の念が強かったのでしょう。
味わい深い紬素材に手絞りを施し、紫根染によって何度も染料に浸け深みのある古代紫色に染め上げられたデザインは、熟練の絞り職人さんをもってしても縫い付けた糸を解くまでどんな風に出来上がるか分からないまさに一点物です。確かに大枠の輪郭の図案は決まっていますが、白場の中に現れる絞り特有の染模様は全く同じものが存在しません。その瞬間の偶然が生み出す絞り染めならではの魅力と言っていいでしょう。
生地を縫い締めた針穴の跡が、本物の絞り染めならではの趣きを漂わせます。
本品に使用されている帯地は紬素材です。その風合いは、ざっくりとしたものではなく”しなやかで柔らか”そして薄手の生地ですのでもたつき感”がなくスッキリと軽快にお使い頂けます。
古来より伝わる「紫根染め」化学染料では決して味わうことの出来ない高貴で奥深い色に絞り染めのデザインが、着物姿をグッと引き立ててくれることでしょう。
そして、ほのかに香る紫根の匂いに心が安らぎます。
全国各地の織の着物から染の着物まで幅広く、お洒落にコーディネートしてお楽しみ下さい。
お仕立てをご依頼の際には「垂れ先(お太鼓の下から覗く部分)」を柄で仕立てるか無地に仕立てるかをオプション選択からご指定下さい。
※写真と実物ではモニター環境などにより若干色が違って見える場合がございますので予めご了承ください。
※価格にはお仕立て代は含まれておりません。オプション選択からご希望のお仕立て方法をご指定下さい。
【お仕立てについて】