【長さ】約580cm
この柄を見てピンときた方は歌舞伎通 こんな帯を締めて観劇されれば場の雰囲気に溶け込み 主張しすぎる事のない さり気ない粋さを演出してくれるに違いありません。
石川五右衛門 鼠小僧と並ぶ日本屈指の盗賊の活躍を描いた作品 明治の名優 五代目 尾上菊五郎の出世芸ともなった「青砥稿花紅彩画(あおとぞうしなはのにしきえ) 通称『白波五人衆』その中の名場面の1つ「稲瀬川勢揃の場」にて盗賊5人衆が手に持つ傘に着用した衣装の柄のモチーフを手挿し友禅の技法で染め上げられています。
5人の盗賊たちが生い立ちから悪に手を染めるに至るまでを順番に語っていくリズミカルな「連ね(つらね)」の場面 その場面ではそれぞれが自分の出番まで傘で顔を隠します。そして身に着ける衣装は紫地に各自の生きざまを現した文様が大胆に染め上げられています。
本品は その「稲瀬川勢揃の場」の象徴ともいえる傘の中に衣装に用いられている柄を手挿し友禅の技法でソフトに そして上品に表現されています。
【白波五人衆 登場人物】とその衣装
※歌舞伎総合サイト 「歌舞伎美人」参考
日本 駄右衛門・・人には情けの賊徒の首領
14才で親とはぐれ「身の生業も白波の沖を越えたる衣働き・・」の生活を送ってきたことを象徴する「白波」に賊徒の首領としても舵取りを「方位磁石」と「碇」によって表現されています。
弁天小僧 菊之助・・女に化けた美人局
「さてその次は江ノ島の岩本院の稚児あがり・・」という菊之助 江島神社に祀られる弁財天を表した白蛇と琵琶 そして名前の菊の花をデザインされています。
忠信 利平・・西に東に神出鬼没
大迫力の雲竜文様 「盗んだる金の御獄の罪科は蹴抜の塔の二重三重 重なる悪事に高飛びなし・・」と重ねた悪行は塔の高さどころか雲にまで達する 。神出鬼没で豪快な物の象徴とされる雲竜模様がデザインされています。
龍が掴んだ玉があしらわれています。
赤星 十三郎・・元は小姓の美少年
「以前は武家の中小姓」だったという品格「今牛若と名も高く」という美貌を散りばめされた花が際立たせ、主が没落し盗賊に身をやつしながらとうとう追い詰められ「今日ぞ命の明け方に消ゆる間近き星月夜・・」という心境をあらわした「尾長鶏」と災難を知らせると言い伝えられる凶星「北斗七星」をデザインされています。
北斗七星と尾長鶏の羽根があしらわれています。
南郷 力丸・・漁師が転じた船強盗
磯風荒い浜育ちで夜船に乗り込んで盗みを重ねる手口を常習としていた盗賊 「波にきらめく稲妻の白刃で脅す人殺し 背負って立たれぬ罪科はその身に重き虎ヶ石・・」犯してしまった罪を悔いながらも 盗みをしなければ生き抜く事が出来なかった心象が「稲妻=荒んだ心」に「雷獣=その荒んだ場所にしか生きるよすがを見いだせなかった南郷の姿」として表現されています。
ドレープ性のあるしなやかな丹後縮緬生地が、染の美しさを余すところなく引き出すとともにエレガントな光沢を放ちます。
お太鼓イメージ
前帯
歌舞伎の人気演目「白波五人衆」の衣装をモチーフに染め上げられた十日町型糸目手挿し友禅染の名古屋帯
一見すると普通のお洒落な傘文様に見えるものの 歌舞伎愛好家さんには溜まらなく魅力的なお柄です。また歌舞伎を前面に押し出した図柄では有りませんので隠れたお洒落として主張することなく 普段使いでもお楽しみいただけます。
本品は一般的に展示会形式の催事販売が主体のお品ですので殆ど流通しておりません。また展示販売会では25万前後で販売されているお品です。
※写真と実物とはモニターや画像処理の関係上、若干異なる場合がございますので予めご理解ください。
【お仕立てについて】
【九寸名古屋帯】
1「名古屋帯仕立て」5,400円
手先からお太鼓までを半分に折って芯を入れて仕立てる
※最も一般的なお仕立て方法です。
2「開き仕立て(裏地無し)」9,720円
手先を半分に折らずに全て平らにして芯を入れて仕立て、手先から胴巻きの部分に裏地をつけない
3「開き仕立て(裏地付き)」12,420円
2の開き仕立てで裏地(モス)をつける仕立て
※裏地の色はお任せになります。
その他 縮緬生地の場合は帯芯と帯地との滑りを抑制するために「起毛芯」をおススメします。プラス1,080円
(帯ガード加工)
・雨やお食事時にも安心のガード加工:3,240円