琉球王朝の頃より伝承される伝統工芸品「紅型染」
沢岻(たくし)家 城間家 知念家を紅型三宗家と呼び、琉球王朝より加護を受けながらその名を馳せていました。
明治に入り廃藩置県後の琉球処分や第二次世界大戦など 幾度となくこの世から姿を消しさりそうになった紅型染めですが、戦前、民藝運動の祖と称される 柳宗悦(やなぎ むねよし)氏から「沖縄は染織の宝庫であり今なお高度な技術をもつ工芸品がこれほどまでに残っているのはまさに奇跡だ」と言わしめたその伝統工芸技術を、戦後の混乱の中蘇らせたのが、城間栄順氏の父 城間家14代当主 栄喜氏であり知念積弘氏でした。
南国沖縄の自然の美しさや大らかさの中に、人々の血のにじむような努力と情熱、そして戦争と言う悲しい歴史が深みとなって更に心に響く染物になっているのではないでしょうか。
紅型染が京友禅や加賀友禅、江戸小紋など他の染物と異なる部分は柄を「顔料」によって染められていることです。他の染物は一般的に「染料」が使用されています。顔料の力強い色彩は、南国沖縄の太陽や色とりどりの自然の色にも負ない重厚な存在感をかもし出します。そして顔料の特性である水に溶けない性質が可能にする重ね染め「隈取り」の技法によって立体感・奥行きが生まれるのです。
紅型染の力強い存在感は
【顔料を使って柄を染める】
【隈取りによって奥行きが生まれる】
この2点が友禅染や他の型染めと異なる大きな要素となっています。
小千谷織 ぜんまい紬とのコラボレーション
本品は新潟県 小千谷市で製織された「ぜんまい紬」の帯地が用いられています。
染織の伝統産地 小千谷の有力織元「くるまや工房」謹製の織物は、シャリっとした肌触りと適度な張り、しなやかさを兼ね備えた極上の布に仕上げられています。
ボーダー状に織り込まれた「ぜんまい糸」が帯地そのものに豊かな表情を生み出すとともに素朴で温もりを感じさせ、帯地単体としてもグレードの高いお洒落帯として十分お使いいただけるお品です。その小千谷織に城間栄純氏の紅型染が施された非常に贅沢な帯なのです。
南国沖縄の染めと雪国小千谷の織物がコラボレーションされたお洒落な紅型染九寸名古屋帯。紅型界の巨匠 城間栄順氏の感性が冴えわたる美しい意匠に魅了されませんか。柄の周りに無地場がございますので柄物のお着物とのコーディネートもスッキリと仕上がり幅広くコーディネートしてお楽しみいただけます。
筑摩が一目惚れをした素晴らしいお品でございますのでお目に留まりましたら是非お手元にお迎え下さい。自信を持ってお勧め致します。
スポットガーデン 筑摩和之