仕立て済 未使用品
本場奄美大島紬
憧れの地球印
一元絣 手織り
世界三大織物
織りのダイヤモンド
【産地】鹿児島県 奄美大島
【製織】手織り(高機)
【絣技法】一元絣
【染色】泥染 摺り込み染色
【製造元】河野絹織物
【品質】絹100%
【着用時期】10月頃から翌年5月頃(袷の季節)
【寸法】対応身長 155cm前後 腰回り(ヒップ)91cm前後
現在標準サイズに近い寸法です。
身丈・・4尺1寸5分(157cm)
裄丈・・1尺7寸5分(66cm)
袖幅・・8寸8分(33.5cm)
前幅・・6寸3分(24cm)
後幅・・7寸8分(29.5cm)
袖付・・5寸5分(21cm)※標準は5寸5分~6寸
袖口・・6寸(23CM)
衿下・・2尺0寸5分(79.5cm)
繰越・・7分
※若干の誤差はご了承ください。
奄美は古くから北方と南方を結ぶ交流の接点で道の島(海のシルクロード)として大変重要な役割を果たし日本本土の失われた民族文化が今尚現存しているところと言われています。
絣糸を作り 糸を染め 織り上げる それぞれの工程に携わる職人の誰が欠けても完成しない。手仕事が集結する事で煌くような1枚の作品が生まれるのです。
フランスのゴブラン織 ペルシャ絨毯と並び 世界三大織物の一つ「本場大島紬」細密な絣模様の美しさ、抜群の軽さ、シュッシュッという絹鳴りの粋な響き、日本においては結城紬と並び称され 着物愛好家だけでなく誰もがご存知であろう圧倒的なブランド力を持つ織物に魅了されるのです。
本品は、しつけが付いたままのお仕立て済 未使用品です。
お客様未引き渡しのキャンセル品だと思われます。1点限りですが緊急入荷いたしました。
赤の無地八掛地が付いています。
軽くてしなやか、肌に吸い付くような滑らかさにスキッとした風合いは唯一無二の風格を漂わせ凛とした着姿を演出します。世界に誇る絹のダイヤモンド 世界三大織物にも数えられる本場大島紬。
奄美大島紬らしい異国情緒漂うエキゾチックな模様が段状に配されています。
一見するとシンプルに見えるデザインですが非常に細かな絣模様が全面に入っています。泥染の茶褐色の地色にブルーの摺込み絣の為、全体的には紺色に見えます。
「一元」式絣 (ひともとしきかすり)
大島紬といえば細密な絣の粒によって柄を表現していることはご存じかと思います。そこで柄を構成する為の絣糸を2本1組で柄を織り出す糸の配列の事を【一元(ひともと)】と呼びます。
※元=2を現し一元は(1×2=2)を意味します。仮に、二元であれば(2×2=4)という具合です。
現在の大島紬の絣配列は、経糸に用いる絣糸1本に対して地糸(2〜3本、地糸2本なら9マルキ 3本の場合は7マルキ)を繰り返す片ス式(かたすしき)と呼ばれれる絣配列が殆どで、より手間と技術を必要とされる一元式の大島紬は滅多に見る事が出来ないのか現状です。絣の粒がくっきりと現れる一元式の絣模様は大島紬の原点であり、宝石のように煌めく絣の粒は工芸味、風格といった大島紬ならではの存在感を放つのです。
下の接写画像を見ると、風車のような形をした白い粒(絣)が、タテ糸、ヨコ糸ともに2本1組の絣糸で構成されているのが分かります。この糸の配列で製織された大島紬の事を「一元(ひともと)式絣」と呼びます。一方、1本の絣糸で柄を表現しているものが「片ス(かたす)式絣です。元来は大島紬のタテヨコ絣は一元式でしたが現在のほとんどは片ス式絣になっています。
ゆえに、一見シンプルなデザインに見える本品についても専門知識をお持ちの業界人や着物愛好家が見ると「あっ!一元絣!」と一目置かれるお品です。
大島紬は2度織る
大島紬は明治時代中頃まで芭蕉で糸を括り防染していました(本場結城紬と同じ手法です) 明治40年頃に「締機(しめばた)」と呼ばれる手法が開発され飛躍的に生産能力が向上し現在のような細密な絣柄が作れるようになりました。
下の画像が締機の工程です。
タテに白く見えるのは木綿の糸で、ヨコに絹糸を織り込んでいきます。
木綿糸で染めたくない部分を挟みこみ防染します。
こうして織上がったものを絣筵(かすりむしろ)と呼びます。
織上がった絣筵を染料に浸けることで木綿糸で挟まれていない部分が染まっていくのです。
この締機の工程は締めが甘いと絣が滲んてしまう為 強い力が必要とされますので 主に男性の仕事です。
染め上がった絣筵を解いて完成した絣糸と無地の糸を機に掛けて手織りで製織されて大島紬が完成します。
また写真右は高機で手織りされる様子ですが 絣がズレないよう繊細さが必要となり 主に女性の仕事とされています。
これが「大島紬は2度織る」と言われるゆえんなのです。
※締機 綿糸の縦糸に 絹糸を緯糸として織り込み締めて絣筵の状態にします。
摺り込み染色
本品の場合、絣の粒がティカチの茶だけでなくオレンジや赤の色で染められています、これは「絣むしろ」の状態で色を染める部分を解き、そこに専用のヘラを使って色を摺り込んでいくことにより染色されており、単色の大島紬よりも更に1工程手間暇をかけて作り上げられます。
※下左 絣筵(かすりむしろ)を部分的に解き(目破り) (右)解いた部分に色を摺り込みます。
手織りによって命を吹き込む
本品は手織りによって製織された本場大島紬です。極上の細い糸を丁寧に織り上げた大島紬の風合いは 滑らかでしなやかな極上の着心地の良さを実感していただけます。
締機と染色によって仕上げられた糸を最後に布に仕上げる手織りの工程。布の声を聴きながら しっかりと均質に織り上げる。絣の柄がズレないように細心の注意を払いながら織り進める作業は集中力と根気強さ そして何よりも確かな技術を要するのです。
昔の大島紬は「イザリ機(地機)」で製織されていましたが、明治の頃に高機織りの技術が開発されたことから飛躍的に生産数量が伸びました。
※イザリ機(地機)は織子が地面に足を伸ばして座り込み経糸を腰に巻いて張力を調整しながら製織する最も原始的な製織方法です。
高機は一般的に良く知られている椅子に腰かけて製織する方法です。
その後、機械技術の向上と効率アップの為 半自動織機や自動織機も用いられるようになり現在に至っています。
※半自動織機は緯絣の大島紬において用いられることが多く、1人が1台の織機に付き 絣の位置を手で合わせながら緯糸の打ち込みは動力を用いています。
奄美大島産の手織りの証「地球印」の商標
奄美大島の天然の泥で染めたことを証明する「泥染証紙」
地色の褐色が泥染です。厳密にはテーチ木(車輪倍)で茶色に染めた糸を泥田で泥に揉み込み媒染することでテーチ木で染めた茶色が黒く変色します。
※大島紬の泥染めは本土の本場大島紬も含めて全て奄美大島でなされています。
地色の茶褐色の部分が泥染です。
本場奄美大島紬協同組合は明治34年(1901年)設立され100年以上の長きにわたって大島紬を守り続けておられ、組合設立後毎年の生産数を公表されています。昭和初期に30万点以上が最盛期で近年では昭和後期においても20万点以上の生産数を維持していましたが直近平成5年には2710点と実に100分の一の規模になってしまいました。(※鹿児島本土の大島紬は一般に公表されていませんが奄美大島の約4倍程度の生産数です。)
職人の高齢化と日本人の着物離れにより日本有数の産地でもある大島紬も近い将来消滅してしまうかもしれません。
奄美大島を発祥とする大島紬。奄美において最盛期には30万点もの生産量を誇っていたこの織物は現在では3,000点に満たないほどに少なくなってしまいました。実に100分の一という状況はいずれは消えてしまうのではないかと危惧するほどです。日本を代表する大島紬もいつまでも存在するものではございません。サイズが合えば絶対にお買い得です。お目に留まりましたら是非お手元にお迎えください。
スポットガーデン 筑摩和之
※写真と実物ではモニター環境の違いなどにより色目が異って見える場合がございますので予めご了承下さい。
※現状渡しとなりますので保管時のたたみ皺が若干ございますが予めご了承ください。
ガード加工は施されていませんのでご希望の場合はオプションから選択してください。
ガード加工・・5,400円
納期:約2週間
年末年始・GW・お盆休みなど長期休暇を挟む場合は余分に1週間から10日ほど期間がかかります。