【産地】沖縄県
【製織法】花倉織 浮花織 手織り
【品質】絹100%(純国産絹 ぐんま200)
【染色】草木(イタジイ※椎の木)・化学染料
【製作】手織り工房「ら 桑子」赤嶺真澄
・那覇伝統織物事業協同組合理事長
・沖縄県工芸士(首里花倉織)
【着用時期】単衣・夏からオールシーズンご使用可能
単衣から夏向きに製造されたお品ですが、季節感の無い色使いであり透け感はございませんので袷の季節を含めオールシーズンお使いいただけます。
【長さ】仕立て上がり 370cmでお仕立てさせて頂きます。
※ご希望の長さがございましたらご注文手続きの際、フリー記入欄からお知らせください。最大約385cmまで対応可能
沖縄に伝承される手織り物「首里織」かつて身分の高い者だけが身に着ける事を許された高貴な布は現在も着物愛好家の心を掴んで離しません。
花倉織(絽織)と浮織の高度な技法を併用し、落ち着きと華やかさを兼ね備えた渋みカラーで表現された横段模様は個性溢れるお洒落さと工芸味溢れる風格を漂わせます。那覇伝統織物事業協同組合理事長を務め、首里織の存続と繁栄を担われている赤嶺真澄さんの感性と染織に対する愛情、そして先人達への尊敬の念が込められた作品が着姿を美しく彩ります。
本品は「美しいキモノ」2023年夏号において女優 新垣結衣さんがモデル着用された現品です。
※未仕立の状態で前帯を当てただけでの撮影ですので織り筋など使用感は全くない新品です。
浮花織
帯地そのものを構成する緯糸を部分的に表面に浮かせて花織の柄を織り出す技法で製織されていますので、柄の遊び糸が裏に渡っておらず もたつきが無く、スキっと軽い仕上がりになっています。
花倉織(絽織)
部分的に縦糸を捩る事で、縞状に隙間が開けられた絽織の技法、琉球王朝の時代には花倉織とロートン織は特に高貴な織物とされていました。
一般的には市松状に絽目が空いたものを花倉織と呼びますが、縞状の絽織についても花倉織の一種に位置付けられています。
※花倉織は那覇伝統織物事業協同組合 及び 宮平初子氏 祝嶺恭子氏 多和田俶子氏 ルパース吟子氏が商標登録されています。
※首里以外の産地では花絽などの呼称が用いられています。
縦糸を部分的に捩り緯糸を挟みこむ事で隙間が空けられています。
夏向きの織物に用いられる技法ですが、本品については極細の糸ですので隙間が非常に小さく また絽織の部分が部分的ですので通年お使いいただけるお品です。
下の画像で白く見えるボーダー部分が絽織です。
本場琉球 首里織
14世紀~15世紀の頃より 東南アジアや中国との交易を通じて多くの染織技術が取り入れられました。琉球王府の城下町として栄えた首里においては、王族や士族といった身分の高い者達の衣装用として高度な染織の技術が発展していきましたが、江戸時代に入り薩摩藩に占領されてからは織物を献納品として納めていました。その後、明治には琉球処分 また第二次世界大戦によって幾度も壊滅的な状況に陥りながらも先人らの血のにじむ努力によって蘇り、現在も職人の感性と手仕事によって様々な技法を駆使し優美で格調高い品々が世に送り出されています。
琉球王朝当時は身分の高いもののみが着用を許された為、貿易によって輸入された珍しい染料などを使用し 色鮮やかで斬新な柄などを取り入れた織物でした。現在においても麗美で洗練された気品漂う作品が多く見受けられます。
華やかに見える沖縄の染織の数々は悲しい歴史というスパイスを内に秘めているからこそ私たちの心に響くのかもしれません。
手織りの温もり しなやかさ
琉球沖縄の織物は手織りによって製織されています。
この手織物を眺めていると
”トン ♪トントン♪”
南国の穏やかな風と日差しの中で織り進められる機織りの音が聞こえてくるようです。
布の声に耳を傾けながら絹をいたわるように、それでいてしっかりと緯糸を打ち込む作業は卓越した技術が求められます。弱すぎず強すぎず そして全体を通じて均質に仕上げなければなりません。機械織は均質で速く製織することが可能ですが手織りと比べるとどうしても硬さが残ります。一方 手織りで製織された織物は しなやかさの中にも安心感のある強さというものが感じられ、そのしなやかさが締め心地の良さに繋がるのです。
伝承され続ける技 それに従事される職人さんあってこそ我々はこの美しい布に触れることができるのですね。
国産絹 ぐんま200
原材料には群馬県太田市で生産された「ぐんま200」と呼ばれる品種の純国産絹を碓氷製糸工場で製糸された糸が用いられています。この品種は染付が良く美しい発色を放つため高級着物や帯用として好まれ、高級織元や染織作家さんの多くが使用されています。
海外産に依存している絹において 品質管理が行き届いた国産絹は日本での流通量の1%にも満たないほど貴重なものですが、純国産絹が放つ光沢としなやかな糸質は 染織の美しさを更に増幅させるのです。
細い糸をしっかりと打ち込み目が詰まった生地は、薄手でシャリっとした手触りと適度な張りを持ち清涼感のある風合いに仕上がっています。
赤嶺真澄「手織り工房 ら 桑の木」 那覇伝統織物事業協同組合理事長
※沖縄県工芸士認定(首里花倉織)
※「ら 桑の木」工房のある那覇市古波蔵(こはくら)を逆読みしました。桑の子はお蚕さんの事です。
個人事業主である職人の集団を取りまとめ、首里織の存続と発展を担う組合の存在意義は大きく、個人事業主である職人の生活を守りつつ、伝統産地を継承していかなくてはなりません。染織界では個人作家として単独で製作活動をなさっている方も一部おられますが、産地という単位においては多くの職人さんが細々と個人でモノづくりをなさっていますので原料の提供から、出来上がった品の卸しに至るまで組合のサポートが必要となるのです。そして小さな個人規模の職人がおられるからこそ私達は素晴らしい品々を手にする事が出来ることを忘れてはいけません。
以下は、組合のホームページに掲載されている赤嶺氏の挨拶文の抜粋ですが、首里織への使命を果たす志しがよく現れた文面で私自身が感銘を受けましたのでご紹介させていただきます。先人が残した技術、技法を「首里織」として復興に情熱をかけ、組合組織の基盤を形造って下さった多くの先輩方の並々ならぬご努力やご苦労があった事、そして「首里織」を楽しみにしているファンが年々増えてきたことを忘れてはなりません。長い歴史の中で私達が首里織に携われる時間はほんの一時でしょう。
今、琉球王朝文化の華を咲かせるのは会員一人一人の務めであり、首里織の継承者として誇りを持ち次世代へ繋げて参ります。
那覇の伝統工芸「首里織」として、50年100年
と組合が継続し、沖縄の伝統工芸産業発展に少しでも貢献できる様努めて参ります。
理事長 赤嶺真澄
2017(平成29)年5月
華やかに見える沖縄の染織物ですが、明治初期の琉球処分による不遇の時代や第二次世界大戦で壊滅的な被害を受けるなど、幾度も訪れた消滅の危機を先人たちの血のにじむような努力と染織に対する情熱により乗り越え、今なお人々の心に響く作品が生み出されているのです。
上品且つ深みのあるカラーリングが生み出す大人の上質感、職人の高度な技術と誇りが詰まった風格が趣深くお洒落な帯周りを演出してくれます。
単衣から夏 そして袷の季節までオールシーズンお使いいただける優れものです。お目に留まりましたら是非お手元にお迎えください。
スポットガーデン 筑摩和之
※写真と実物とはモニター環境などにより、若干色目が異なって見える場合がございますので予めご理解ください。
※価格にお仕立て代は含まれておりません。
※お仕立てをご依頼の場合には、オプションからご希望の項目をお選びください。
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【お仕立てについて】
お仕立て期間:名古屋帯仕立て 約3週間 開き仕立て 約4週間
※年末年始 GW お盆など長期休暇を挟む場合は7日~10日ほど余分にかかりますのでご了承ください。
※国内手縫い仕立て
【九寸名古屋帯】
夏用帯芯を使用します。
1「名古屋帯仕立て」5,400円
手先からお太鼓までを半分に折って芯を入れて仕立てる
※最も一般的なお仕立て方法です。
2「開き仕立て(裏地無し)」9,720円
手先を半分に折らずに全て平らにして芯を入れて仕立て、手先から胴巻きの部分に裏地をつけない
3「開き仕立て(裏地付き)」12,420円
2の開き仕立てで裏地(モス)をつける仕立て
※裏地の色はお任せになります。
(帯ガード加工)
・雨やお食事時にも安心のガード加工:3,240円