【品質】絹100% 生紬
【製造元】多ち花
【着用時期】オールシーズン※基本は単衣・袷を念頭に製作されたお品です。
【長さ】お仕立て上がり 370cmにさせて頂きます。
※ご希望の長さがございましたらご注文手続きの際 フリー記入欄からお知らせください。最大約380cm程度まで可能です。
大人可愛い雰囲気を漂わせる更紗文様を名門染元「多ち花」が摺型友禅の技法によって生紬に染め上げられた特選九寸名古屋帯。繊細な意匠を重厚感のある色彩で表現し、生紬のほのかな透け感とザラっとした独特の素材感は工芸味豊かな面持ちを醸し出すとともに、まるで1,000年の時を経た古布であるかのような熟成された深みや趣を感じさせるのです。
摺型友禅(すりがたゆうぜん)
柄を彫った型紙を生地の上に置き、専用の刷毛で染料を摺り込んで染めていきます。用いる色毎に型紙が必要となり例えば3色使いなら3枚の型紙を用いますが、同じ色でも濃淡を付ける為には何枚もの型紙が必要となる為、型紙作りや染色についても大変手間暇が掛かります。多ち花さんでは特にこの同色濃淡を拘りを持ち、型紙を彫り分けることで奥行きが表現されています。例えば一つを表現する為に4枚の型紙を彫り分けるなどされています。色数が増えれば増えるほどコストも手間暇も掛かりますが、この拘りが「多ち花らしさ」という唯一無二の存在感を醸し出すのです。
色を重ねて摺り込まれた色彩は、手描き友禅や伊勢型など他の染色技法とは一味違った色彩の深みを醸し出すのです。そして立体感や奥行きを繊細に表現する事が可能となるとともに、型紙は約90cmの長さがある為、非常に伸びやかな柄を表現し、躍動感や臨場感といった迫力が感じられるのです。
京友禅※摺型友禅も京友禅の一種です。
今から約300年もの昔 元禄時代の頃、京都の扇絵師 宮崎友禅斎が確立させた華やかな染め物として一世風靡した染色技法。
四季折々の花鳥山水の文様などを多種多様な技法、色取り取りの色彩を用いて現した京友禅は絵画のように思うがままの文様を表現する事が可能となり、日本の伝統工芸品として着物や帯の染色技法に無くてはならない存在として現在に至るまで確固たる地位を築いています。
多ち花が生み出す摺型友禅の世界
伝統工芸 摺型友禅の技法を駆使し高次元の作品を世に送り出す染元「多ち花」。手を抜かず美を追求する真摯な姿勢から繰り出される品々は他の追随を許さない程の存在感を放つのです。
幾重にも摺り込まれた染料によって生み出された作品は、1,000年の時を経た古布のように熟成された色彩に仕上がります。色の数だけ型紙が必要となり、たとえ同系色であっても繊細な濃淡を付ける為には何枚もの型紙によって彩色していかなくてはなりません。「手間暇を惜しまず僅かな色の変化を追求する」多ち花の拘り抜いた姿勢があってこそ、これほどまでの躍動感と奥行きを生み出し格別の深みを醸し出すのです。
そして、生紬の生成色と渋い輝きが摺型友禅の色彩を更に引き立てているのです。
同じ色でも数枚の型紙を用いて染を重ねるごとに色が濃くなり奥行きが生まれます。幾重にも摺り込むことで重厚感や深みが生まれます。
生紬
本品の染地は生紬(なまつむぎ)が用いられています。絹の表面を覆っているフィブロイン(タンパク質)を取り除かずそのままの状態で糸に仕上げた紬糸で織り上げられた織物(生紬)は、ザラっとした手触りで張りのある風合いに織り上がります。鈍い光沢を放ち、素朴さと工芸味豊かな趣深さを漂わせます。
※通常の絹糸は精練によって表面のフィブロインを取り除くことによって、しなやかになり絹の光沢が現れます。
オールシーズンお使い下さい。
本品については、オールシーズンお使い頂ける素材感の帯地になります。ほのかな透け感があるものの、盛夏専用として製造された帯ではなく、あくまでも袷から単衣を念頭に置いた帯になります。ただ、織り目に隙間があり透け感のある生地ですので、真夏にお使いいただいても違和感はございません。
事実、本シリーズの帯を「夏用」として販売されている呉服屋さんもございます。
オールシーズンお使い頂きたいお品ですので、夏もお使いになる場合は夏用帯芯を入れて通年お使い下さい。※夏用帯芯 別途330円必要。
下の画像は手を裏にかざしています。織り目に隙間がありますのでほのかな透け感があります。
夏用を表記して販売されている呉服店もございますが、本品は袷・単衣帯として製造されています。ただ、夏にお使いいただいても違和感はございません。
紬糸特有の節糸がランダムに現れており、素朴な面持ちと工芸味を感じさせてくれます。
「多ち花」沿革…ホームページより引用
戦後、創業者(袖崎 善蔵)らにより営業開始
昭和35年8月、有限会社多ち花設立
昭和55年1月、株式会社多ち花に組織変更 現在に至る。
創業者 袖崎 善蔵(明治44年生れ)は、学卒後『千總』へ入社し、キモノづくりの基礎を学ぶ。戦地へ赴き帰還後、多ち花を創業。以来、オリジナルの型紙を作り続け、現在の『多ち花らしさ』の礎を築く。