【製造者】福永世紀子
【品質】綿100% (インド綿)
【糸染色】天然草木染
【製織技法】高機手織り 平織
【長さ】織上がり:約510cm
※仕立て上がり約370cmにさせて頂きます。
ご希望の長さがありましたらご注文の際、フリー記入欄に記載ください。※最大:約385cmまで対応可能
”手紡ぎ木綿”に魅せられ40数年、御年80歳を超えて今なお現役で製作活動続けられている染織作家「福永世紀子」さんが作り上げる布が私たちの心を穏やかな世界へと導いてくれます。
木綿を自らの手で紡ぎ、草木で染め、織り上げる。
全ての工程を1人でこなし生み出される綿布には福永世紀子さんの想い・情熱・人生観と言った目に見えないものが宿ります。
手で紡がれた木綿が持つ温もり、草木染の深み色、そして熟練の高度な機織りの技で布という形になります。そこには人の心にしみわたる安らぎが感じられ、得も言われぬ至福の贅沢をご堪能いただけるのです。
福永世紀子 綿布に魅せられて
1941年 第二次世界大戦の中 旧満州で生まれ、その後故郷の高知県で育った福永さん。
子供のころから絵をかくのが大好きだった少女は大学のデザイン科で勉強した後、デザイン関係の会社に就職されました。しかし机上のデザインの仕事では飽き足らず、親御さんの反対を押し切って退社。29才の時に綴織の人間国宝「細見華岳」氏の元に弟子入りし織物について勉強されました。
しかしそこでも自分の手によって織り上げるものの、糸作りや染色は他人の手によって行われるという西陣織の分業体制の中で作品を作ることに満足されていませんでした。
そして「全てを自らの手で作り上げたい」という欲求に駆られていた33才の時、丹波布との運命的な出会いをされたのです。
木綿織物「丹波布」の生産地である兵庫県青垣町にたまたま人の誘いで訪れた時、縁側で糸車を使い綿を紡ぐ1人のおばあさんの姿を見たとたん「これこそが私が追い求めていたものだ」と直感的に感じ取られたそうです。糸車からスーッと紡がれる糸の美しさに心を奪われ「私もこんな糸を紡ぎたい」・・それこそが、土佐手縞の原型ともいえる丹波布との出会いでした。
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手で紡いだ木綿を草木で染め、手機で織り上げる織物「丹波布」昔は佐治木綿として明治の頃まで盛んに製造されていたこの織物は大正時代には消え去ったのですが、昭和の初め”民芸運動”の祖とうたわれる柳宗悦氏(やなぎむねよし)が京都の朝市で偶然佐治木綿の端切れを目にし、「静かな渋い布」だと称し丹波布として復刻されました。
1955年頃に復刻された約20年後の1975年 福永さんは丹波に移り住み丹波布の修行を始められました。
会社勤めから綴織の仕事、そして丹波布へ。それは決して飽き性で長続きしないという転職では有りません。更に自分自身の理想を追い求め高みを目指す福永さんの精神、いや・・もっと子供のような純心な好奇心だったのかもしれません。
やると決めたら即行動に移さないと気が済まない福永さん。丹波に移り住んだ当初はもちろん丹波布で生計を立てるなどできません。
綴織の仕事を請け負いながらの修行だったといいますから並々ならぬ努力と苦労をなさったことは容易に想像できます。でもそれを苦労と感じないほどに夢中で修行に没頭されていたのかもしれません。
丹波から故郷土佐へ
丹波に居を構えてから9年後の1984年 大阪心斎橋「泉画廊」にて第一回目の個展を開かれるまでになりました。1987年には「日本伝統工芸展 入選」 1989年「日本伝統工芸染織展」にて日本工芸会会長賞など数々の賞を受賞され、丹波布作家としての才能が花開きご活躍されました。
そんな中、土佐に住む母が高齢となり故郷と丹波を行き来する生活が続くと郷里「土佐」の自然の美しさに気付き帰郷することを決断されました。1999年 福永さんが58才の時です。
土佐で製作を続けられた福永さん。その木綿織物を自らが「土佐手縞(とさてじま)」と名付け独自の個性を存分に注ぎ込む唯一無二の作品として世に生み出していかれるのです。
土佐手縞とは古くから土佐に伝承される伝統工芸品ではなく、福永世紀子さんオリジナルの織物なのです。
若き頃にデザイン会社で叩き込まれた色作りを基礎とする色の美しさと絶妙の配色、綴織や丹波布で培った織の技、そしてなによりも33才の時に運命的に出会った糸紡ぎによって作り出される土佐の自然のように澄み渡る美しい糸の全てが福永さんの手を通して出来上がる布。生活の中に密着した普段着としての美を極限まで追求した織物。それが土佐手縞なのです。
丹波で織の技術に磨きをかけていたころに出会った唐木綿(とうもめん)「※江戸時代に海外から持ち込まれた木綿織物」の複雑な模様を織り出した古裂を一本一本解きほどきながら織の組織を研究し、自分で設計図を作りその技術を極められました。
どれほどの時間と労力がかかったのでしょうか。好きだから出来るとはいえそこまでやり遂げる執念・・いえ木綿に対する愛の強さゆえなのでしょうか。
自宅兼工房から見た土佐の景色
草木染の揺らぎ
糸染めには天然の草木染料が使用され、その作業も福永さんが自ら行われています。
草木染料は化学染料のように一回で簡単に染まるものでは有りません。何度も何度も繰り返し染めては媒染することで自分が思う色に近づけていきます。
その技術と労力はもちろんの事、色に対する知識とセンスも必要であり、その色に対する基礎を美大を卒業して約3年間勤められたデザイン会社で叩き込まれたそうです。
草木染めから放たれる色は化学染料のような絶対的なものではなく、その中に有機的な天然の不純物が混ざることで色の中に別の色が隠れていると言えばいいのでしょうか、干渉して深みと呼ばれる趣きが生まれるとおっしゃる方もおられます。
そしてその不確かさゆえに、様々な色目の着物と組み合せてもしっくりと馴染んむのです。
手で紡がれた美しい木綿の温もり、天然の染料で染め上げられた色の深みと優しさ、そして手織りの風合い。
それら全てにおいて 福永世紀子さんの長きにわたる人間味あふれる歴史が詰まった「土佐手縞」なのです。
福永世紀子 土佐手縞 手紡ぎ木綿に魅せられ40数年 手で紡いだ糸を草木で染め手織りする。全ての工程を一人でこなし仕上げる職人技。人々の心を癒すと同時に生命力に満ち溢れる綿布が静けさの中に確かな存在感を放ちます。御年80歳を超え現役として布を織り続ける福永世紀子さんの世界を感じて下さい。
ご年齢とともに製作のペースもゆっくりになっておりますので滅多に目にする事は出来ない希少品となっております。お目に留まりましたら是非お手元にお迎えください。
※写真と実物とはモニター環境などにより、若干異なって見える場合がございますので予めご理解ください。
※価格にお仕立て代は含まれておりません。
※お仕立てをご依頼の場合には、オプションからそれぞれの項目をお選びください。
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【お仕立てについて】
お仕立て期間:約20日
※年末年始 GW お盆など長期休暇を挟む場合は7日~10日ほど余分にかかりますのでご了承ください。
※国内手縫い仕立て
【九寸名古屋帯】
1「名古屋帯仕立て」5,400円
手先からお太鼓までを半分に折って芯を入れて仕立てる
※最も一般的なお仕立て方法です。
2「開き仕立て(裏地無し)」9,720円
手先を半分に折らずに全て平らにして芯を入れて仕立て、手先から胴巻きの部分に裏地をつけない
3「開き仕立て(裏地付き)」12,420円
2の開き仕立てで裏地(モス)をつける仕立て
※裏地の色はお任せになります。
※国内手縫い仕立てです。