築添純子 手紡ぎ木綿
命を宿し 心を映す
志村ふくみ氏の志を継ぐ伝道者
現代染織界の重鎮
【製造者】築添純子
【品質】綿100% 手紡ぎ (インド綿・アジア綿)
【染料】からすうり(烏瓜)
【製織】高機 手織り
【着用時期】9月から翌年6月頃 袷 単衣の季節
【長さ】約530cm
行き着く先に辿り着くもの 装飾を一切排除し ただ素材を活かし己の心を映す。それが染織の極みなのかもしれません。静かに呼吸をしながらじっと佇み何かを語りかけているかのように。手紡ぎ木綿の時に太く時に細いランダムな糸がリズミカルでもあり、50年の長きに渡り染織の世界に身を置かれる築添純子氏の織物に対する愛情や信念だけでなく人生観と言った全ての感情や歴史がこの布に宿っているように思えてなりません。
手紡ぎ木綿の温もり 草木染の癒し
綿(わた)を手作業で引き出しながら糸にしていく手紡ぎの技法で作られた綿糸は数千年の歴史を持ち、熟練の職人でも太細のムラが出来るのですが 本品は築添氏の技術の高さにより出来る限り細い糸と 太い部分と細い部分を意図的に作り出されたランダムな糸が用いられています。
そして糸を手で紡ぐことにより機械紡績糸では味わえない優しくふんわりとした表面に仕上がります。
その仕上がり具合こそが製作者の心を映し出しているように思うのです。
自然の恵みがもたらす天然素材は生きています。丁寧に優しく扱えばあつかうほどに綿が持つ潜在能力を余すところなく引き出すとともに心を込めればこめるほど命が吹き込まれ光輝くのです。何の変哲のない無地の織物に見えるかもしれませんが手に触れた時に心に響きいつまでも手に取って居たくなる。そして帯として体に締めた時に感じる温かみは色や柄は関係なく究極まで見た目の無駄を排除したありのままの姿が重要なのです。
これは自己満足であり他の人が見て気付くものでは有りません。しかし実際に自分のものとして手に入れれば間違いなく愛着が沸き起こり常に使っていたいと感じていただけるに違いありません。
本品は木綿そのものの生成り色に見えるかもしれませんが草木染が施されています。「からすうり(烏瓜)」という名の植物で染め上げられた綿糸はほんのりと柔らかな極々薄い色が目に優しく映り、着姿を自然体に仕上げてくれどんな色柄の紬の着物にも溶け込みます。しかし安っぽさなど微塵も感じることなく最高級の本場結城紬とコーディネートしても御召しになる方を引き立ててくれるのです。
築添氏の命が吹き込まれた織物を身に着ければ貴女自身の心を映してくれるのかもしれません。
そしてこれこそが究極のお洒落であり至極の贅沢なのは間違いありません。
所々に綿の殻が残っており、これが味わい深さを漂わせ民芸味溢れる手作りの伝統工芸品としての風格をお楽しみいただけます。
手織りによって製織された織物のしなやかさだけでなく、確かな技術により安心感のある均質な風合いは流石と言わざるを得ません。
築添純子(つきぞえ じゅんこ)
人間国宝「志村ふくみ」さんが40代半ばの頃1968年から師事された築添氏 弟子ではあるもののまだ志村さんがお若い時から染織の世界を共にされ1989年「志村ふくみと三人展」など一緒に個展を開かれるほどですので 現在となっては同志といってもいいのかもしれません。もちろん築添さん自体は恐れ多いと否定されるでしょうが。
1945年 兵庫県西宮市生
1968年 染織作家・人間国宝 志村ふくみ氏に師事
1984年 第29回日本伝統工芸展初入選
1984年・1986年 日本伝統工芸染織展にて受賞
1986年 日本伝統工芸会正会員に認定
1989年 新潟美術館「染織の美・いろとかたち展」出品
同年 壺中居(東京)「志村ふくみと三人展」
1992年 第29回日本伝統工芸染織展 鑑審査委員
1993年 仏教会館(京都)「秋野等・築添正生・純子三人展」
1994年 思文閣美術館(京都)「染織現代女性作家展」
1997年 和光ホール(東京)「志村ふくみと水縹の会展」
2009年 織成館(京都)「染・織・繍 それぞれのカタチ」
最後に・・・
今回ご縁を頂き築添純子さんの品を入手する事が叶いました。滅多に目にする事のない同氏の作品は現在販売されている呉服店があるのでしょうか。
また、本来であれば当店においても最低40万以上でなければご提供出来ないものであり、一般的な専門店の参考価格においては60万前後はするお品です。
紬専門問屋さんの年に一度の決算品としてお声をかけて頂きました。
普段であれば私も間違いなく仕入を躊躇してしまうほどに高額のお品ですので破格値と言って間違いありません。
今後二度とこのような価格でご提供出来る事はございませんのでお目に留まりましたら是非お手元にお迎えいただきましたら幸いです。必ずご満足いただけると自信を持ってお勧め致します。
スポットガーデン 筑摩和之
※写真と実物とはモニターや画像処理の関係上、若干異なる場合がございますので予めご理解ください。
※価格にお仕立て代は含まれておりません。
※お仕立てをご依頼の場合には、オプションからそれぞれの項目をお選びください。
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【お仕立てについて】
【九寸名古屋帯】
1「名古屋帯仕立て」5,400円
手先からお太鼓までを半分に折って芯を入れて仕立てる
※最も一般的なお仕立て方法です。
2「開き仕立て(裏地無し)」9,720円
手先を半分に折らずに全て平らにして芯を入れて仕立て、手先から胴巻きの部分に裏地をつけない
3「開き仕立て(裏地付き)」12,420円
2の開き仕立てで裏地(モス)をつける仕立て
※裏地の色はお任せになります。
※国内手縫い仕立てです。
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