特殊な製造方法
お太鼓と前帯の柄部分に牛首紬生地を用い、特殊な製法で製作された作品です。
●牛首紬うらら織と呼称される夏単衣向きに製織された薄手の白生地にお洒落な更紗文様が染め上げられた牛首紬の小紋生地を和紙に貼り付けます。
※これはリメイクを得意とする源次郎が太箔の原理を用いた技法で、本来は金箔や色箔を貼り付けます。
●牛首紬を貼り付けた和紙を6mmの幅に裁断し、裁断した牛首紬生地をお太鼓と前帯の柄となる緯糸として織り込みます。
太箔を製織するには非常に繊細で高度な技術を必要とするため、熟練の職人が手織りによって丁寧にしっかりと打ち込んでいくのです。
縦方向に見える黒い線は経糸です。
牛首紬の太箔生地→緯糸→牛首紬の太箔生地の順番織り込み、経糸で挟み込み太箔生地を固定しています。
下は裏から見た画像
和紙の上に牛首紬が貼り付けられているのがわかります。
部分的に柄に隙間を開けることで面白味のある豊かな表情に仕上がります。
結衣織(ゆいおり) 酒井守織物
西陣織工業組合番号2409
創業約30年…殆どの織元が機械織機(力織機)オンリーで生産されている中、手織りの逸品から力織機まで手掛ける西陣織の織元 酒井守織物
フォーマル用途の袋帯からお洒落帯まで幅広くハイセンスな品を世に送っておられます。
西陣織工業組合手織りの証
現在では職人さんの高齢化とともに手織りの品は非常に少なく希少品です。
特に本品のような太箔を打ち込んでいく作業は、より繊細さが必要とされますので従事される職人さんも限られます。
【手しごと 源次郎】
着物を裂いて帯に織り込むといった特殊加工の作品を手掛ける酒井守織物のブランド名です。
本品については、牛首紬の生地を緯糸として織り込んでいます。
【牛首紬 うらら帯】
単衣夏に製織された薄手のサラッとした牛首紬。本品においては和紙に貼り付けて緯糸としていますので、夏用ではなく袷シーズン向けの帯になります。
【牛首紬】
日本有数の高級紬として名高い「牛首紬(うしくびつむぎ)」この不思議な名前の語源は生産地である石川県白山市白峰が明治の初期まで守護神「牛頭天皇(ごずてんのう)」に由来して「牛首村」と呼ばれていた事に端を欲します。
その織物は艶やかな美しい光沢を放ち ふっくらとした風合いとしなやかさを兼ね備えています。安価な紬織物にありがちなガサつきなど微塵もなくエレガントささえ感じる風格を漂わせ、民藝的な「素朴さ」というよりは「優雅」と表現する方がしっくりとくるのです。
牛首紬の命ともいえるのが”のべ引き”と呼ばれる糸作りにあります。緯糸に使用される”玉糸”とは2頭以上のお蚕さんが共同して作った繭から引き出された糸なのですが、糸が絡まり合っている為、大小の独特の節があり糸を引き出す作業が非常に難しく熟練した技術と勘が必要とされます。
本来、太さが均質で綺麗な生糸が出来ない玉糸はクズ糸ですが、そのクズ糸を使い牛首紬は生産されるようになったのです。
職人の手によって引き出された玉糸は弾力性と伸張性に優れ、製造工程の1つである”糸叩き”により更に空気を含み繊維がしなやかになる事で、牛首紬でしか味わうことの出来ない滑らかな布が生まれます。そして真綿紬糸ではなく生糸と玉糸で製織された織物はスキっとした風合いに仕上がります。
【シルクコットン】
お太鼓と前帯の柄部分以外の緯糸にはシルクコットン糸が織り込まれています。(経糸は絹100%) 絹と綿を混紡させたシルクコットンは、絹のしなやかさと光沢、綿のふっくらとした温もりを併せ持ち、色がミックスされた杢調の糸は絣のような味わい深さを感じさせます。
お太鼓と前帯以外は杢調の無地になっています。
水絵画のような滲みを表現したカラフルな更紗文様が異国情緒漂うエキゾチックな雰囲気をかもし出し、紬の着物とコーディネートすれば個性あふれる唯一無二のお洒落をお楽しみいただけます。
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