牛首紬
希少な先染め
800年の時を超えて
静かに佇む本物の風格
工芸品をエレガントに
白山の麓で、牛首紬と呼ばれる独特の紬が織られている。
糸に空気を含ませる独自な糸の処理で綾子のような柔らかな着心地でありながら、釘抜き紬の別名が残るほどに強い織物である。
高橋治(直木賞作家)「紺青の鈴」より。
【産地】石川県
【製造元】白山工房(西山産業)
【品質】絹100%(縦糸:生糸 緯糸:玉糸100%)
【生地幅】約39cm(裄丈72cm 1尺9寸まで対応)
明治の初めまで「牛首村」と呼ばれた地があります。石川県白山麓の雄大な自然の中に位置するこの豪雪地帯の山里で800年以上の長きに渡り響く機織りの音が今も人々の暮らしに息づいています。
別名「釘抜き紬」と呼ばれる手織り物。着物の裾を釘に引っ掛けても着物は破れずに釘が抜けてしまうと形容される程に強靭な織物が牛首紬です。
玉繭から手挽きした糸を人の手で織り上げる牛首紬は、しなやかで抜群の着心地の良さをご堪能いただけ、艶やかな絹の光沢を放つ気高いエレガントさを感じさせます。
シンプルな縞模様の中に漂う本物の風格は、飽きが来ず上質だからこそ色褪せない一生物としてお召し頂けるのです。
上質感溢れる静かな佇まいをお楽しみ下さい。
牛首紬最大の魅力は糸にあり。
手挽きによって製糸された玉糸を叩いて息吹を吹き込み、手織りによって布に命を宿す。
のべびき
2頭のお蚕さんが共同で作った玉繭を選別し「のべびき」と呼ばれる方法で繊維を繰り出し糸を作ります。玉繭は繊維が複雑に絡み合っている事から繭から糸を引き出す作業は大変難しく、職人の経験と感が必要とされます。そしてランダムに現れる大小の節が味わい深く弾力性と伸縮性に富んだ糸が出来上がります。玉繭は綺麗な生糸が作れない屑繭とされていましたが、現在では希少性の高さや素朴な魅力から人気を博し大変高価な糸とされています。
糸叩き(いとはたき)
のべびきによって作られた玉糸に撚りを掛けた「かせ(束)」を丸木に掛けて何度も叩く事で絹が本来持つ「うねり」を取り戻すと同時に空気を含ませしなやかな生きた糸に仕上げます。そうして完成した糸を染料で染めた後に織り上げます。
全ての作業が手作業であり、手間暇を掛けて完成した先染めの牛首紬は、他産地の紬織物とは一線を画する唯一無二の風合いに仕上がるのです。
経糸には生成り、茶、黒の糸を配して縞模様を現し、緯糸には茶色の糸が織り込まれています。黒糸が入っている為、全体的には引き締まった深い茶色に仕上がっています。
艶やかな光沢を放つエレガントな雰囲気は、凛とした大人の魅力を漂わせるとともに、帯のテイストを変えると様々な表情をお楽しみ頂けるだけでなく、コーディネートし易いデザインとカラーリングは、飽きが来ず一生物として重宝して頂けるに違いありません。
引き杼
牛首紬は特殊な機で手織りされています。下の画像をご覧いただくと、右手が紐にかかっているのがお判りいたけると思います。緯糸を経糸の間を通す際に、この紐を引っ張ると緯糸が巻き付いているシャトルが左右に飛ぶという仕組みです。緯糸は筬を手で打ち込み織り進めます。
この手織り機は先染めの牛首紬に用いられており、白生地の牛首紬は動力織機で製織されています。
手織り~身体に沿う着心地の良さ
「とんとん♪ とんととん♪」白山麓の山里に響く機織りの音。ただひたすら機に向かい緯糸を打ち込んでいく。布の声を聞きながら糸を労わるように、しかし力強く織り進める手織りの作業は、常に心を乱す事が許されない正確さが求められます。それは自分自身と向かい合い我を見つめ直すかのような作業であり、集中力と根気強さを必要とします。高度な技術と人の感度によって、糸の状態や湿度などを見極めて打ち込み具合を加減する。機械織りでは感じられない優しさは人の手がもたらす温もりであり、体に沿う着心地の良さが手織り最大の魅力なのです。
手織りで製織される牛首紬は、その命とも言える手挽き糸の良さを損なう事なくダイレクトに伝えてくれます。
牛首紬の産地においては現在「白生地」の生産が大半を占めおり 白生地として製織された織物を卸し、京都を中心として白生地の上から友禅染が施された製品の流通が殆どです。以前は全て手織りによって製織されていましたが、より均質な白生地生産・職人さん不足により機械織機を導入されるようになりました。
そういった状況の中で、先染め織物して生産される本品はあくまでも手織りにこだわり 本当に希少性が高く手に入れる事が年々困難になりつつあります。
牛首紬は霊峰白山の麓石川県白山市白峰(旧牛首村で生まれました。白峰一帯は日本有数の豪雪地帯です。牛首村の村人達は、白山の自然の厳しさと、豊かな恵みを同時に受けながら、世にも美しい紬を連綿として伝え育んで来ました。
二頭の蚕が共同で作り上げる玉繭から、手作業で紡ぎ出された独特の糸を使用する「牛首紬」は、実に二十数工程にも及ぶ伝統の手技から生み出されます。
独特の糸と、人の手による丹念な織りが相まって、強靭でありながら、繊細で深みのある風合いと、肌に馴染む着心地ができあがります。
角印•牛首紬は白山の大自然と伝統の手技、そして真摯なものづくりの精神から生まれています。
西山産業開発(株)
加賀乃織座より
手織りの証
【牛首紬とは】
日本有数の高級紬として名高い「牛首紬(うしくびつむぎ)」不思議な名前の語源は生産地である石川県白山市白峰が明治の初期まで守護神「牛頭天皇(ごずてんのう)」に由来して「牛首村」と呼ばれていた事に端を欲します。
今から約800年昔、平治の乱で敗れた源氏の落人が牛首村に流れ着き、その妻が機織りの技術に優れ村の女性達に伝授したのが牛首紬の起源だという伝説があります。白山麓の急こう配な地形により農耕に適した土地ではなかった牛首村では養蚕が大きな収入源だったようです。
石川県牛首村から起こった800年を超える歴史を誇る手織り物に身を委ねれば人の手の温もりが感じられ至福の時を過ごして頂けるに違いありません。
先染めの縞模様は、絣織物や友禅染のように華やかさが有るわけではございません。しかし、実際に手に触れてみた時の重厚感と優雅さは結城紬や大島紬 また全国のどの産地織物にもない唯一無二の心地よさが感じられます。
結城紬では味わえない張りのある滑らかさと優雅さ、大島紬にはないしっかりとした肉厚感。それが牛首紬であり、華やかな豪華さ息をのむような細密さは無いかもしれませんが、御召しになったときの満足感こそが牛首紬の魅力なのです。
生産数は極めて少ない為、滅多に手にする事は叶いません。お好みの色柄でしたら是非お手元にお迎え下さい。価格においても自信を持ってお勧めさせていただきます。
スポットガーデン 筑摩和之
コーディネート帯 左から
※写真と実物ではモニター環境の違いなどにより色目が若干異なる場合がございますので予めご了承下さい。
※価格にはお仕立て代は含まれておりません。(お仕立ては当ページのオプション選択より商品と同時にご注文下さい)
八掛地は両駒(紬用)のタイプからお選びください。
※無地・ぼかしからお好みのお色をお選びください。
※色を優先される場合は縮緬向きのパレス八掛地からお選びいただいても差し支えございません。
★ご提案以外の八掛地の色をお任せでご依頼される場合は「八掛色NO」記入欄に『○色系』などとご記入下さい。こちらで色を選定後、メールにて最終確認させて頂きます。
※色はご注文完了後にゆっくりお考えいただいても構いません。(八掛NO記入欄に「注文後決定」と記入して下さい。)
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