下書き
からむし
からむし織
激レア 手績みの苧麻100%
静かに佇む手仕事の極み
これぞ究極の贅沢
長井織 伝統工芸士 長岡正幸
こんなにも美しい手績み糸に装飾など必要ありません。自然の素朴さに宿る人の手の温もりに身を委ねる時、我々は古代の浪漫に心が引き寄せられるのです。




【産地】山形県 長井市
【品質】からむし※青苧(麻)100%:手績み
【製作者】伝統工芸士 長岡正幸
【着用時期】夏・単衣
【長さ】お仕立て上がり370cmにさせて頂きます。ご希望の長さがございましたらご注文手続きの際、店舗への要望欄(フリー記入欄)にてお知らせください。
※最大約400cmまで対応可能。
気が遠くなる程の手間暇を掛けて生み出される自然布、里のおばぁ達の生活に溶け込み作られる手績みの糸に息吹が宿り人の手の温もりが感じられるのです。それは決して華やかなものでも煌びやかな美しさもありません、しかし布に触れじっと見つめているとポカポカとした優しさに心が満たされ手が離せなくなるのが不思議です。それこそが生活に根付いた工芸の美しさであり何物にも変え難い安心感といった魅力に違いありません。
本品は極上の「からむし」を縦糸緯糸ともに用いた非常に貴重な手織り物です。





からむしとは
イラクサ科の多年性植物であり、苧麻(ちょま)青苧(あおそ)など様々な別名があります。重要無形文化財である越後上布や宮古上布にも用いられている植物を細く裂いて糸を作る。その昔、絹糸も綿糸も存在しなかった時代から人々の暮らしを支えてきたのです。

「手績み(てうみ)」と呼ばれる気が遠くなるような工程で一本一本繊維を手作業で裂き、一本の糸に作り上げられます。からむしは絹のように連続した1本の長い繊維ではない為、短い繊維を熟練の手業によって繋ぎ合わせていきます。そしてその硬い麻を糸状に作り上げる作業はベテランの績み手でさえ着物一反分の糸を仕上げるのに3カ月はかかるほどの困難を極めるものです。その過酷さと、その対価として得られる賃金の安さから「績み手」のなり手が居らず高齢化が進み、いずれは消滅してしまうであろうと危惧されています。
細く手で裂き一本一本つなげていく、気が遠くなるほどの手仕事により糸に仕上げていきます。

手績み作業の様子
写真はイメージです。



短い繊維を繋いで一本の糸に仕上げます。途方もない労力と熟練の技術が必要とされる糸の良し悪しが出来上がった織物の品質を大きく左右します。細すぎず太すぎず絶妙の太さに手績みされた糸は、可能な限り均質に仕上げられており比較的品質にばらつきが生まれる手績み糸の中にあって非常に高品質な糸が出来上がりました。ゆえに縦糸緯糸ともに「からむし」を100%使用した無地帯に製作され、糸の魅力が最大限引き立ち我々の心の奥底にまで響いてくるのです。

置賜紬
長井、米沢、白鷹一帯は置賜地方と呼ばれ染織の産地として全国にその名を轟かせています。
江戸時代初期 直江兼続の施策により青苧を栽培し、各地に出荷されていた原材料の生産地であった米沢藩は第9代藩主 上杉鷹山公の頃より養蚕に転換し、その後 新潟県(越後)から織の職人を招き絹織物が生産されるようになりました、以後日本国内でも有数の染織の産地として現在に至っています。
長岡正幸氏
長井において約50年の長きにわたり制作活動をなさっており、展覧会において様々な賞を受賞されている伝統工芸士としてその名は全国的に知られています。

生成り特有の色の濃淡が無地織りというシンプルさの中に奥行きや深みを生み出し自然溢れる工芸味を漂わせます。ずっと見てしまう魅力がそこにあるのです。

手織りの温もり
「とんとん♪ とんととん♪」しんしんと降り積もる雪景色の中に響く機織りの音。ただひたすら機に向かい緯糸を打ち込んでいく。布の声を聞きながら糸を労わるように、しかし力強く織り進める手織りの作業は、常に心を乱す事が許されない正確さが求められます。それは自分自身と向かい合い我を見つめ直すかのような作業であり、集中力と根気強さを必要とします。高度な技術と人の感度によって、糸の状態や湿度などを見極めて打ち込み具合を加減する。機械織りでは感じられない優しさは人の手がもたらす温もりであり、体に沿う締め心地の良さが手織り最大の魅力なのです。
※からむしは乾燥すると切れやすくなるため製織の際は最新の注意を払いながら織り進めていきます。


素朴な温もりを感じさせる自然布にも関わらず、どこか透明感のある美しさを放つのです。太陽の光に反射する自然のきらめきに胸がすく感覚を覚えます。





この布はいつまで存続出来るのでしょうか。地道で気が遠くなるような作業で手績みされた糸を手織りする。決して煌びやかな豪華さは有りませんが、静かに佇む魅力が心の奥底に響くのです。名もなき匠の手仕事から生まれる布に身を委ねれば至福の満足感に満たされるに違いありません。現物を見て触れてその魅力をご堪能下さい。大変希少な品となっておりますのでお目に留まりましたら是非お手元にお迎え下さい。これぞ究極の贅沢です。
スポットガーデン 筑摩和之



【お仕立てについて】
※こちらの品は手縫いとさせて頂きます。
【八寸名古屋帯】
1「松葉仕立て」
4,860円
手先から約38cm(1尺)半分に折ってかがります。
※最も一般的なお仕立て方法です。
※手先が半分になっているので締めやすくなっています。
2「平仕立て」
4,860円
手先を半分に折らずに全て平らのまま仕立てます。
※胴巻部分の帯巾を調節したい方におすすめです。
※本品はガード加工をおススメしません。

※お仕立て期間 約3週間
- 2025.03.28
- 11:15
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