小倉縮(こくらちぢみ)
日本工芸会正会員 築城則子
縞が織りなす無限の広がり
作品名「闇映(やみばえ)」
小倉縮に魅せられ復刻させた熱き思い
美しいキモノ 2021年夏号 松嶋菜々子さん着用品
【製作者】築城則子
【品質】縦糸:絹 緯糸:綿・絹
【染色】草木染
【製織】手織り
【生地幅】約40cm(裄丈:約73cm 1尺9寸5分まで対応可)
【着用時期】6月頃~9月(単衣・盛夏)
どこまでも交わることのない平行な線。
その無機質で単純な模様に命を吹き込み、躍動感さえ感じさせる迫力と風格を漂わせる布を生み出す。
その昔、盛隆を極めた夏の涼布「小倉縮」を蘇らせた築城則子氏の手業と感性、そして何よりも同氏の染織への情熱ゆえに成せる芸術作品を身にまとえば、安らぎと高揚という相反する感覚に包まれるに違いありません。
作品名【闇映(やみばえ)】
本品に名付けられた作品名「闇映」。漆黒の闇の中に射す光のように浮かび上がる色とりどりの縞模様が美しく映える様は、シャープなすっきりとした中にしなやかさが感じられるのは不思議としか言いようが有りません。
草木染によって様々な色の縞を、太さや間隔を変えて配されたデザイン性の高さは美しい着姿を演出し、無限に広がる自然の生命力が感じられます。
色とりどりの縞模様 草木染
地色の黒は藍にザクロを重ね染めされています。そして色とりどりの縞模様には、桜・梅・紫根、緑色は藍にウコンを、赤茶色はビワを用いて染められています。
実はそれ以外にも多種の草木が使用されているとの事で、それら天然染料の無限の色の深みが放つ渋く美しさは、化学染料では表現することの出来ない揺らぎを感じさせるのです。
植物が持つ有機的な何かが複合的に作用し、目に映る色の向こう側に更に別の色が存在すると言えばいいのでしょうか。それを説明する適切な言葉が見つからず人々は深みや味わいといった曖昧な表現をするしかないのです。
縦糸には非常に細い220デニールの絹糸を中心として縞柄の一部に84デニールの糸が用いられ、その縦糸は、精練されたものと未精錬の生絹(すずし)が併用されています。そして緯糸には綿の強撚糸と生絹とが打ち込まれています。※横縞が現れている部分が生絹が織り込まれている部分です。
その糸の変化が静かな水面にかすかに揺れるさざ波のようなポコポコとした細かな凹凸を生み出し、サラリとした手触りの涼しい布に仕上がるのです。
遠目には1色に見える縞にも濃淡が付けられており、奥行のある豊かな表情を漂わせます。
ほんのりとした透け感ですので、真夏だけでなく単衣のシーズンにもお召しいただけます。
縦糸には極細の220デニールの絹糸を中心として、縞柄の一部分に84デニールの糸を配し、緯糸には木綿の強撚糸と生絹が織り込まれています。
シャリっとして適度な張りがあり、非常に軽い織物に仕上げられています。
築城則子氏によって復刻された「小倉織」「小倉縮」
※本品は小倉縮になります。
・・・去門には。小倉ちゞみ来る人。挑燈持てつくばい。
井原西鶴「好色二代男」より
・・・あすは国入お嫁入二ツ道具の行烈に。毛鑓数鑓大とり毛波のちゞみの小倉より。糸はしんくのむすび紐だい笠たてかさお長刀。
近松門左衛門「日本武尊吾妻鑑」より
江戸時代 豊前小倉藩(現 福岡県北九州市)で生産され盛隆を極めた「小倉織」木綿織物は丈夫で破れにくく、上質な生綿を用いる事で美しい光沢を放つことから武士の裃として人気を博していました。その後、武士だけでなく庶民の間においても実用品として大変重宝されていました。また、夏の涼布として開発された「小倉縮」においても同様に人気を博していました。しかし時代の流れによって昭和初期にはその姿を消してしまったのです。
その小倉織を1984年に・小倉縮を1994年に微かな手掛かりを元に復刻させたのが本品の製作者である築城則子さんであり、現在においても小倉織・小倉縮の第一人者としてご活躍され多くの後継者を育てておられます。
築城則子プロフィール(遊生染織工房様ホームページより抜粋)
・日本工芸会正会員
・遊生(ゆう)染織工房主宰
1952年 福岡県北九州市生まれ
1974年 早稲田大学文学部中退
染織研究所・久米島・信州で紬織を学ぶ
1984年 小倉織を復元
1994年 小倉縮を復元
1996年 北村武資氏による文化庁伝承者養成研修者に選出。北九州市立美術館にて個展
1999年 銀座 和光ホールにて個展
※2003年 2013年にも開催
2004年 東京国立近代美術館「非情のオブジェ 現代工芸11人」に出品
2005年 第25回伝統文化ポーラ賞 優秀賞受賞
「Wings Of Cicada 織の挑戦者たち」(ロンドン)出品
2007年 文化庁芸術家海外派遣 ロンドンにて研修
2008年 第42回 日本伝統工芸染織展 文化庁長官賞授賞
京都 堺町画廊「築城則子染織展」
2009年 九州国立博物館 特別展「工芸のいま 伝統と創造」九州・沖縄の作家たち出展
財団法人民族衣装文化普及協会より きもの文化賞授賞
2012年 文化庁主催海外展「日本のわざと美・近現代工芸の精華」(フィレンツエ)に出展
2014年 北九州市立美術館分館「築城則子-縞の今-」
2015年 菊池寛美記念 智美術館「工芸の現在」展 第一回菊池寛美賞授賞
2016年 ミラノデザインウィーク2016 ミラノ大学「Parabolic Stripes」出展
1974年 早稲田大学文学部中退
染織研究所・久米島・信州で紬織を学ぶ
1984年 小倉織を復元
1994年 小倉縮を復元
1996年 北村武資氏による文化庁伝承者養成研修者に選出。北九州市立美術館にて個展
1999年 銀座 和光ホールにて個展
※2003年 2013年にも開催
2004年 東京国立近代美術館「非情のオブジェ 現代工芸11人」に出品
2005年 第25回伝統文化ポーラ賞 優秀賞受賞
「Wings Of Cicada 織の挑戦者たち」(ロンドン)出品
2007年 文化庁芸術家海外派遣 ロンドンにて研修
2008年 第42回 日本伝統工芸染織展 文化庁長官賞授賞
京都 堺町画廊「築城則子染織展」
2009年 九州国立博物館 特別展「工芸のいま 伝統と創造」九州・沖縄の作家たち出展
財団法人民族衣装文化普及協会より きもの文化賞授賞
2012年 文化庁主催海外展「日本のわざと美・近現代工芸の精華」(フィレンツエ)に出展
2014年 北九州市立美術館分館「築城則子-縞の今-」
2015年 菊池寛美記念 智美術館「工芸の現在」展 第一回菊池寛美賞授賞
2016年 ミラノデザインウィーク2016 ミラノ大学「Parabolic Stripes」出展
受賞歴
1983年 福岡県美術展 福岡美術協会賞
1986年 西部工芸展 福岡県知事賞
1991年 西部工芸展 朝日新聞社銀賞
1992年 西部工芸展 KBS九州朝日放送賞
1997年 西部工芸展 日本工芸会賞
2002年 西部工芸展 長崎県知事賞
2003年 西部工芸展 福岡市長賞
2006年 西部工芸展 大分市長賞
2008年 日本伝統工芸染織展 文化庁長官賞
2010年 西部伝統工芸展 朝日新聞社大賞
2010年 日本伝統工芸展 日本工芸会奨励賞
2013年 日本伝統工芸染織展 京都新聞社賞
本品は雑誌掲載のモデル着用品の為、モデル仕立てと呼ばれる特殊な仮の仕立てがされているだけですので本仕立てが必要となります。
築城則子さん作 夏の涼布 小倉縮「闇映」
全国の着物愛好家や専門店筋から絶大なる人気を博している同氏の作品は決して煌びやかな豪華さは有りませんが、糸から染め、そして織に至る細部にまで拘った工芸作品であり、見れば見るほど、着れば着るほどにその魅力に引き込まれるに違いありません。
本品は、2021年1月に開催されました銀座和光での個展用に製作されたお品です。
滅多にお目にかかることの出来ないレアアイテム、まさに唯一無二の風格とお洒落さを漂わせるお品でございますのでお目に留まりましたら是非お手元にお迎えいただきましたら幸いです。
スポットガーデン 筑摩和之
※写真と実物ではモニター環境の違いなどにより若干異なる場合がございますので予めご了承下さい。
※価格にはお仕立て代は含まれておりません。(お仕立ては当ページのオプション選択より商品と同時にご注文下さい)
【お仕立て代 期間】
海外縫製 約50日 国内縫製 約40日
※支払後 寸法確定後の所要期間です。
※GW お盆 年末年始など長期休暇が絡む場合は約10日程余分にお日にちを頂きます。
海外単衣手縫い縫製・・24,840円
国内単衣手縫い縫製・・35,640円
※いずれも地入れ 正絹絽衿裏 背伏込み
正絹居敷当(お尻部分の補強)・・2,000円
水濡れにも安心 ガード加工・・5,400円
お仕立てに関しての詳しくはこちらもご参照ください。。
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